第二話 転生・偶然の出会い
第一話の続きとなります。ここからは異世界での出来事となります。
身体が重い。全身が痛い。頭がぐらぐらする。
そうか、私は死んだんだ。車に轢かれて。
来世って、本当にあるのかな?確かめてみたい。
私は、重いまぶたを頑張って無理やりこじ開けた。すると視界の先には、青い空が見えた。
一瞬、頑張って動かした思考がフリーズした。
え、ガチ?ホントに来世?というか、
『異世界⁈』
そう、私は異世界に転生してしまったらしい。実際、前世では見たことがない生物や植物がたくさんあった。
『どうして異世界に?』
戸惑いながらも、私は異世界を少し冒険した。この異世界には、口がついた花や歩く草などの様々な植物があった。
『あ、もしかしたら』
私は、異世界に来たのなら、なにか特別な力が手に入っているのではないかと思い、前世で観ていたアニメの構えをしてみた。
『はっ!』
しかし、なにも起きない。では、他のアニメではどうだろうか。
『せいっ!』
またしてもなにも起きない。
ならこれはどうだ!
『ふんっ!』
これでもなにも起こらない。
なにか特別な力は無いみたいだ。
しかし、このほうが人間らしい。やっと、人間らしい生活が送れるような気がした。
『よーし、異世界ライフ、満喫するぞー!』
約30分後...
『助けてぇ〜!』
私は、絶対絶命のピンチに遭っていた。人間らしい異世界ライフを送ろうとした矢先、大剣を使うボス[ナリア]に出会ってしまった。これが異世界の魔物か〜って納得してる場合じゃない!今の私は武器もスキルも何も持っていない。こんな状況で勝てる保険ありますか?あるならぜひ入らせてください。
『グゥゥオォォォー!』
そんなボケてる暇なんてない!なんとか攻撃をかわすので精一杯だ。私はもともとアイドルで、ダンスをやっていたから、身のこなしなら自信がある。体力もある。しかも相手は大振り。これなら避けられる。なんとか避けた。避けまくった。避けに避けた。避けて...
『いつまで攻撃してくるの⁈』
どうやら魔物の体力は無限に近いらしく、1時間ほど、いくら避けても一向に攻撃をやめない。助けを呼べればいいが、あいにくここはただの野原。人が通る気配もない。異世界ライフを送ろうとした矢先、もう死ぬ羽目になるとは...。私はことごとく、運が悪い。
『・・・に人・・・』
『・・・いで・・・ましょ・・・』
遠くから人の声が聞こえる。ここで私は終わりだ。
『避けろー!』
声が聞こえた途端、私の体は勝手に動いた。どうやらまだ死ねないみたいだ。
『てえぇぇぇい!』
一人の人影が私の前に現れた。敵の大きな剣を小さな片手剣で受け止めている。とてつもない硬さと腕力だ。
『カラン、やれ!』
カランと呼ばれたもう一人の人物が、ナリアの首を一閃する。ナリアの頭がころんと私の前に落ちる。切られた首から青い血が垂れてくる。
『大丈夫か⁈』
私を庇った人物が私に語りかける。
『はい、なんとか...。』
私は唖然とした。ついさっきまで死の淵を彷徨いかけていたのに、この二人はあっさりと倒してしまった。なんだか自分が弱く見えた。
『オルト様、お怪我はありませんか?』
『ああ、大丈夫だ。カランこそ、大丈夫か?血がついているぞ。』
『いえ、この程度、然程でもありません。』
どうやらこの人はオルトというらしい。この辺りの国の警備兵か?しかし、だとすると妙な点がいくつかある。
まず、近衛騎士がいること。護衛がいるのなら、とても身分の高い人だろう。この点を踏まえると、二つ目の様呼びも納得がいく。
『君、名前は?』
オルトと呼ばれた人物に話しかけられる。
『海波です。水島海波。』
『ミズシマウミハ?独特な名前だな。』
こちらの異世界では、このような名前ではないのだろうか?
『あの、そちらのお名前は...?』
失礼を承知で尋ねてみる。
『貴様、殿下のことをご存知ないのか⁈』
カランと呼ばれた人物が驚いたように私に言う。
『はい。すみません、遠くの国から来たもので...。』
遠くの国、というより異世界なんだが...。
『そうか、ならば仕方ない。私から自己紹介しよう。私は、このビータ王国の王子、オルト・ルイ・ビータだ。』
やはり、私の読みは間違っていなかった...。ん?王子⁈めちゃめちゃ身分高い人じゃん⁈タメ口きいて申し訳ありませんでした!
『そして、こちらが私の側近...。』
『カラン・マルト・ボナリアと申す。』
やはり、私の読みは間違っていなかった。ん、側近⁈しかも王子の⁈やば、私ここで処刑されるかも。
『あの、助けていただいてありがとうございました。
それでは、私はこれで...。』
『ちょっと待ってくれないか。』
オルト殿下が私を呼び止める。あ、終わったな、私。
『実は今、私の国は外の国との交易を完全に絶っていてな。外の国の情報を知りたいんだ。』
なるほど、日本でいう鎖国のようなものか。なにか他の国といさかいでもあったのだろうか。
『そこで何だが、私の国の王城まで一緒に来てくれないか?』
ふんふんなるほど分かりましたって、え⁈王城に⁈しかも王子と一緒に⁈そんなん無理に決まっとるがな。
『なにをおっしゃるのですか殿下⁈こんな見ず知らずの女性を王城に招くなど。』
『カランも見れば分かるだろう。この人はまだ魔力を持っていない。それどころか、魔法具すら持っていない。害などないさ。それに...。』
それに...?処刑?
『私自身、この女性に興味を持っていてね。聞いたことのない名前、見たことのない服装。なにか面白いものが聞けると思ったんだ。』
なるほど、つまりはなにか面白いものを寄越せと。やはりどの国でも権力者のすることは同じか。
『殿下がそうおっしゃるのであれば、私からはなにも言いませんが...。』
『ありがとう。あなたは?』
どうやら私の返事を乞うてるようだ。これは、逆らったら処刑かな。
『はい、了解しました。』
『よし、それでは、この馬車に乗ってくれるかな?』
馬車?馬車なんてどこに...。あったー⁈殿下の奥にあったー⁈全然気づかなかったー⁈
私たちは馬車に乗り込み、ビータ王城へと向かった。
ここから、新しいキャラがたくさん登場します。ときどきまとめようと思いますので安心してください。




