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アニオタ兄貴が天国から来た
アニオタの兄貴が天国から来た。チャリで。いつの時代だろうか? 確か兄貴がニート生活十五周年と抜かしていたあの頃。太陽が照りつける夏の夕暮れ時に、お気にの声優の写真集を買いに出掛けた兄貴はトラックに跳ねられた。チャリに乗ったまま宙を舞い着地と同時に、顎を打ち付けて舌を噛みのたうち回っているところ乗用車に轢かれて死んだ。
兄貴は弟である俺に生前に遺言を書いたらしく写真集を財産にと残した。意味が分からなかった。
『阻むものはこの世でただ一人。自分自身なのさ。下らぬ見栄や期待など己の評価に怯えたヤツにしか見えない恐怖。突き進めばいい。下らない壁は己が乗り越えるも潰すも自分次第ってな?』
『誹謗中傷している間にどれだけ努力が出来てどれだけ成果を上げれた? 努力に無駄な時間はない。嫉妬している間に成長できる時間も、努力できる時間もただただ無駄にして未来も過去もゴミにしているだけなんだよ? これが分かるだけで人生大きく変わるぜ? 何やっても無駄と想っている時間が無駄な時間なんだよ?』