7. おわりに
おわりに
程度を表す語は多くあるが、少々考えてみただけで、その複雑さがわかる。
程度の高いことを示すことばをあげると、「とても」「非常に」「大変」「大層」など、単に高いのではなく、普通以上に高いことを表してていることば、「きわめて」「ごく」「甚だ」「ひどく」など、程度の最も高い様を表すことば、「超」「まれ」「度外れ」など、程度、限度を越えていることを表していることば、「かなり」「だいぶ」「よほど」などは程度の高いことを表す点は同じだが、もう少しでの意味もあり、「非常に」に近いがやや劣る気がする。
逆に程度が低く、小さい様を表すぼうでは、「ほのか」「わずか」が最も小さく、「やっと」などであるかないか程度、「ちょっと」でどうやらあるになり、「少し」「やや」になるとあるけれども少ない、となる。
こうした程度を表す語は少しずつ意味が重なり合いながら存在していることが多い。
だが、これらを使う場合に生じる色合いや調子の微妙さが細かく異なっている。調べていくごとに面白くなる語たちである。
副詞「とても」は発生してから、所属するグループを少しずつ変え、それと共に成長してきた語である。
日本人はよくあいまいな言葉使いをする。主語の省略や後続部分の省略、音便化などはその代表的なものだろう。
しかし、それはあいまいな使い方をすることによって、微妙なニュアンスをかもしだすという点で、大変に便利な方法なのである。
副詞「とても」は、その微妙なニュアンスを表す使い方によって変化してきた語の一つである。それが悪いことだとは、私は言わない。かえってその言葉が、人々に親しみやすくなっていくのだと思う。
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※以下は参考文献である。が、今回文中に添付していた、手書きの一覧表の類いを省いているため、不要となるものだ。
しかし、論文を作成するにあたって、確かに参照したものである。よって、やはり記載すべきかと思うので、付加しておく。
参考文献一覧
・近代作家用語研究会・教育技術研究会編『作家用語索引 芥川龍之介』第一巻 教育社
・『新編日本文学史』守随憲治・真下三郎 第一巻学習社
・『謡曲大観』佐成謙太郎 明治書院
・『大辭典』第19・20巻 下中彌三郎編 平凡社
・日本大辞典『言泉』 落合直文・芳賀矢一 大倉書店
・『徒然草総索引』時枝誠記編 至文堂
・日本古典文学全集『黄表紙・川柳・狂歌』小学館
・日本古典文学大系『風來山人集』岩波「風来六部集」
・『曽禰好忠集の校本・総索引』馬淵和夫・深野浩史 笠間索引叢刊
・『新古今集総索引』滝沢貞夫編 明治書院
・『山家集・金槐和歌集』日本古典文学大系 岩波
・『発心集本文・自立語索引』高尾稔・長嶋正久編 清文堂
・『梁塵秘抄總索引』小林芳規・神作光一・王朝文學研究會 武蔵野書院
・『きのふはけふの物語研究及び総索引』北原保雄 笠間索引叢書
・『お伽草紙』太宰治 新潮文庫
・『宇曽利湖心中』三浦哲郎 文化出版局
・日本近代文学大系『田山花袋集』角川
・『昭和文学全集第四巻』小学館
・『ブンとフン』井上ひさし 新潮文庫
・『昭和文学全集 十巻』小学館
・新版『国語学要説』佐藤喜代治編 朝倉書店
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
これは、筆者がウン年前に卒論で書いた論文で、卒論の文集に載りそこねたヤツである。
ゼミの教授に卒論文集掲載の打診をもらったとき、文集に記載するサイズに書き直しするのが面倒臭かったのと、ちょうど引っ越しの準備とかで色々あったので、かなり光栄なことだったのに、ついお誘いを断ってしまったのである。
後から、ちょっともったないことしたかな、と思ったものの、まあいいかとしばらく忘れていた。
当時の私にとって、論文とかレポートは、書くときに全力投球していても、終わった後のことには興味が薄く、無事卒業ができればそれでオッケーだったのである。
が、だいぶ前に、この論文の自力で原稿用紙を和綴じにしたヤツが出て来たのである。
なぜ原稿用紙を和綴じなのかというと、当時、不正コピー等を危惧してか、卒論は直筆のみ受付だったので、全員が原稿用紙を使用した。
その上、クラスの担当教授が、「仮にも文系専攻してるなら、和綴じくらいのことをやって提出してほしいですね」とか何とか言って、わざわざ表紙の付け方と綴じ方まで教えて、やった奴の評価アップをほのめかしつつニヤニヤ笑いやがって下さったのだ。
それで、皆でチクショーと毒づきながら、各々が和紙を購入して表紙を付け、装丁する羽目になった。
あ、これ忘れていたな、と思い出したとたん、当時のちょっともったいない気持ちがよみがえったわけで。
コレが手元にあるってことは、当然、学校には保管されてないわけで。
折角だから、どこかに残しておきたいなと、欲が出た。
その、あんまり好みでもない和紙の表紙がボロくなっていた、筆者の論文の忘備録、なのである。
従って、参考文献や資料は全体的に古いものが多い。
歴史を追うという内容のせいもあるが、場合によっては旧字体が使われているし、庵点や二の字点、くの字点、漢文の訓点なども含まれている。引用した現代語訳もなんだか古臭い言い回しだったりする。当て字やら何やらで、誤字かと思うほどである。
そんなわけで、一部文字が正しく表示されなかったらごめんなさい。
それから、資料の出版年度や記載頁などは、筆者の年バレ防止のため、表記を差し控えた。
辞書などの参考資料はなるべく新しいものを用意して、ちゃんとその年度も頁も明示しておくように、という先生の教えに背くが、その辺、お許しいただきたい。
最後に。
当時の、高身長で脚の長いゼミ担当教授と、同じ学び舎で過ごした素晴らしき友人達に、多大な感謝をこめて。




