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XX~3回目

頭痛がする。



吐き気もだ。



また殺された。あいつだ。今回は、俺はしっかり見たぞ。



ぼんやりとした輪郭でしかないが、あいつの顔をはっきりと見た。



ああ、それにしても気分が悪い。



全身が焼けるように熱い。まるでキャンプファイヤーの中に放り込まれたみたいだ。



いら立つ気分のままに腕を振り回したら、何かが割れる音がした。



なんでもいいさ。


「うう」


また音がした。


今度はなんだ?


甲高い音、これは……インターホンか。


こんなときになんだ。


荷物なんか頼んだ覚えはないぞ。


それとも家賃の集金か?


大家の野郎、こっちは今日食うもんにも困る身だってのに。


俺は倦怠感を振り払うように勢いよく立ち上がった。


「はいはい、今出ますよ」





























「よう」



 宮本だった。


「なんだお前か」


「邪魔するぜ」


こっちの許可もなく、宮本は強引に俺の部屋に入ってきた。


「汚い部屋だな」


「悪かったな。悪態をつきに来たんなら帰ってくれ。俺は今さっき殺されてきたばかりなんだ」



「なぁ、これはなんだよ」























宮本は足元に置いてあった俺特製の帽子を拾い上げる。


















「それか、殺人防止帽子だ。それがあると、家の中限定だが、殺される確率が低くなる。ちなみに帽子と防止がかかってるんだぜ」















「この割れたタブレットは?」
















「千里板と呼んでくれよ。一日一回念じると、いつかそこに犯人の顔が映るんだ」






「この注射器は? この粉はなんだ? なあ、おい森川。俺たちは友達だ。いいか、俺の言うことをよく聞くんだ。お前はな、病気なんだよ」



「はぁ?」


「俺と一緒に来るんだ。知り合いがやってる心療内科を紹介してやる」



「おいおい、ちょっと待ってくれよ。病気? 俺は正常だぜ」



「いいから、早く」


「痛い。腕を引っ張るなよ――え? あ、あああああああ。あいつがいる」


「幻覚だ。森川、お前は幻を見てるんだよ」


「いるんだ。ずっと俺を見てたんだ」


「誰もいない。ここには俺とお前以外誰もいない」


「やめろ、やめてくれ」


「森川、しっかりしろ」


「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」




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