肉マッスルフェス2
こんばんは、月白先輩。
今夜は、月が綺麗ですね。
遅くなってすみません。
今日の敵はエビ怪人だったんですが、アミエビ系で時間がかかってしまって……。
大変だったけど海が辺り一面赤くなって、綺麗だったなぁ。
……先輩にも見せたかった。
……先輩、今日も何も言ってくれないんですか。
俺は、あなたが生きてただけでいいなんて言いませんよ。
あなたに会いたいんです。
あなたに会って、好きだと伝えたい。
伝えたときの顔が見たい。
お願いです!
ひと目でいいんだ!
どうか─────
「げ、藤先輩」
ん? なんだ山吹か。 いま帰りか?
「いや、まぁ、その、はい」
そうか、気をつけて帰れよ。
「お疲れさまでしたー………ってこのまま帰れるかぁああああああ‼」
なんだ山吹、お前また邪魔するつもりか?
「こんな状態の先輩たちを放っていけると思います?!」
桜は何事もなく帰っていったぞ。
「さすがですね桜先輩」
さぁ、帰った帰った。 俺は忙しいんだよ。
「いやだからですね。 会社の前でそんな格好でいられると色々迷惑なんですよ」
なにがだ?
「えっ」
具体的になにが迷惑なんだ?
「会社前の自販機を半裸で口説くことのなにが迷惑なのかって私聞かれてます?」
そうだ。
「マジかこの人……。 えーっと、まず、公衆の面前で半裸でいられると嫌じゃないですか」
お前には、この肉体美が目に入らないのか?
「えっ、入るから目障りなんですけど……」
美しいだろ?
「自分でいうかな……。 まぁ綺麗だとは思いますけど……」
だろ?
「いや、そんな、してやったり、みたいな顔されても問題は解決してないんですよ。 外では服着ましょうよ。」
いや、ちょっとまってくれ。 もう少しで……
「女は筋肉に落ちる、と唆されでもしましたか?」
ぎくり。
「全く……誰がそんなことを……。 グリーンさんですか?」
さ、桜だが……。
「さすがですね桜先輩……。 いや、まぁ確かに筋肉があったほうが良いに決まってますけど、それはこういう使われ方をしない前提の話なんですよ。ねぇ月白先輩!」
……。
「……ねぇ月白先輩!」
……。
「……」
なぁ、もしかして月白先輩、この自販機の中に居ないんじゃないのか。
「……気づいてくれましたか。なんの成果も上げていないことに」
帰ってしまったか……くそっ! 今日の敵がアミエビで無かったら間に合っていたのに……!
「……先輩、ご愁傷さまです……」
遅刻しました〜すいません。
時間あると思ってたのにあっという間の今日(というか昨日)でした。