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優しい悪魔  作者: 化け猫
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悪魔の悪夢 後編

『あれ…なんだろう。夢?』


あー、これは夢だ。周りを見ようとしても強制的に自分が見たいところではなく見せられる場面しか見れないこの感覚。

はて。にしてもなんの夢か。。そう思っていたらあたりは真っ白から急に下に落ちるような感覚に襲われ真っ黒になった。

そして、周りの風景が黒から悲惨な風景に…。あたりはまるで地獄絵図…。炎の海に辺り一面岩。飛び交う火の玉。

するといきなり、自分が声を出し周りに誰かいないのかと大きな声で呼び続け始めた。。そして、キョロキョロ当たりを見回し、歩き始めた。

そうして、何時間も経過したような感覚に襲われ突然の寂しさ喪失感が襲ってきた。。

夢の中で不意に1粒の水滴ならぬ涙がこぼれ落ちた。それは段々と私の目から雨のような涙になっていった。

寂しさと恐怖がじんじんと伝わってきた。夢の中なのに心がここにあるように。

私の心はオーバーヒート。燃え尽きそうな程、いや今まさに絶頂の冷気が吹いてきた。

そのような、不可思議現象が苦しみと痛みと寂しさと恐怖をもって私の心に棲みついた。

これは夢だ。大丈夫。すぐ終わる。。

やだやだやだやだやだやだ、寂しい、苦しい、痛い。まま。パパ助けて。キラでもツキでもいいから助けて。私をここからだして。

人間は自我がある方が怖いものをはっきり認識し、例えばいじめられる夢を見れば不安と恐怖で涙する。つまり優夏は普通の赤ん坊よりもこわい思いをしているのだ。

ならば、それ相応に心も誰かに救済されたくなり、自制は聞くが本心はいま吐き出したネガティブな言葉なのだ。

そして、優夏は段々と夢の中で心をすり減らしていき…。。

ふと、そのとき眩い光が点滅しはじめた。

そちらを見ると。ただの光のようだ。だけど、その光はまるで暗がりにいる自分を救い出してくれる明るい太陽みたいだ。

私は必死にそちらに向かって走った。涙や鼻水で女の子らしからぬ顔になっても今はその光だけが私の救いだ。もう1人になりたくない。寂しいのも怖いのもヤダ。お願いだから私をここから連れ出して。

こんな、悪魔のような悪夢からは。

そして、光を掴んだと思ったその瞬間。。



私は夢から覚めていた。。

『優夏!大丈夫!?凄い寝ながら泣きわめいていたけどどこか痛いの?怖い夢を見たならままがここにいるからね。優夏が痛いのはままも苦しいよ。。』


『あーーーーー』

私は泣き喚き続けた。ただの夢。悪夢なのに。そこにままがいつもどおりにいるだけなのに、安心感寂しさから救われた感覚当たり前の存在がこんなにも尊い存在なのが身に染みて伝わってきた。


しばらくして、私は泣き疲れてままの服を掴みながら眠った。

次に起きた時にはもう、いつも通りの私であれるように。


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