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優しい悪魔  作者: 化け猫
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愛の涙

最後終わりみたいな展開ですが、まだまだ続きます!


母が、昼食の準備をしている間、私はじいじとばあばに遊んで貰っていた。これが、驚くことに流石はじいじとばあば子供を親まで育てた経験値はパパ、ママに比べると比較にならない程遊び方が上手い。

そして、部屋の隅で寂しそうにしている父の顔が画面脇チラチラと見えます。父の方もチラチラとこっちを伺っています。まるで大好きなペットが珍しく来た隣人に懐いて自分のところを離れて言ってしまうような感じです。

仕方ない。。ほんとに不器用なんだから…。そう思い、私は父の方を見てまだはいはい、とは呼べないもがきながら、父の方に向かって必死にはいずります。

『優夏…パパとも遊びたいのか…?』




うわぁ、凄い嬉しそう。満開の桜並のきらっきらっの笑顔じゃないですか。あなたほんとに悪魔ですか?もぉ、パパはホントしょうがないなぁ。


『ぶーあー、あー、』


パパにつかまり最近覚えたつかまり立ち。長くは出来ないけどこれをするとパパは喜ぶ。いや、何しても喜んでくれるから私の方も幸せな気持ちになるんだけどさ…。これが"家族の愛"もしくは"絆"なんだなぁ


『おー、優夏じいじの所には来てくれんのかぁ〜。』


じいじが今にも泣きそうな顔なんですけど。もぉ、仕方ないなぁ。人気者だな。私。


『あー、うー、ぶー』


『おー、よく来たよく来た何が欲しいんだぁ〜じいじ優夏のためならなんでも買ってやるぞぉ〜』


こういう所と泣きそうな顔が凄くパパそっくり。いや、パパがそっくりなのか。いつか言ったらきっと照れながらそんなことないって言いそうだなぁ〜。



そんなこんなで、昼食の時間になった。母がみんなを呼びに来た。


『準備できましたー!!お父さんとお母さんこちらにどうぞー!』



▷▶︎▷▶︎


じいじの最初の一声はこれだった。

『え、ケーキ?』


ばあばの一声は

『あら、優夏ちゃんのお祝い?』



だが、パパの一声で、空気はガラリと変わった。

『ちがうよ。父さんと母さん誕生日近いだろ?今まで優夏が産まれるまで2人のこと祝えていなかったし、親孝行もあまり出来ていないから今日くらいはって、夏美が提案してくれたのがきっかけだったんだよ。』


『あら、あなたが2人になにかしてあげたいって言ったのが始めだったじゃない。』



『優太、夏美ちゃん…ありがとうなぁ。この歳で誕生日を祝って貰えると思っていなかったから…』

ポロリとじいじの目から涙がこぼれた。


『ほんと、優太はいい奥さん貰って、母さんにもこんなサプライズしてくれて、あんたは自慢の息子だよ。もちろん、夏美ちゃんも自慢の娘よ。』

ばぁばの目からは涙が沢山溢れていた。


『父さんも母さんも大袈裟だよ。』

父の顔は苦笑しながらも、照れた仕草をしながら瞳は潤んでいた。


『さぁ、皆涙を拭いたらお料理冷めないうちに食べましょ!』

母の一言で皆顔を拭い始めた。



それを見ていた私はなんとも暖かい気持ちになった。私と母、父のように家族の愛、絆があって。じいじとばあばと父。そして母も。この4人にもそれぞれの"愛の形"があってきっと、その前にもこれから先にもこんな形がこの家系、いや、この優しい悪魔達には続いていくのだろう。

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