第三章 旅立ち
第三章 旅立ち
ジュガ達は慎重にその能力を駿にコピーした後、訓練様の亜空間を作り出した。駿は暫く、その空間で能力の操作を訓練していた。
「派遣隊ソルジャーがやって来るみたい。」アイが心配そうに報告した。
「あまり派手にやって欲しくないけど。僕等も万全の準備を整えて於こう。下手をしたら僕の古里が無くなってしまうかも知れないからね。」
ケイが心配そうに話した。訓練空間から戻ったジュガが
「順調だけど、駿の美幸への思いが強すぎるのが気がかりね。」
訓練空間での鍛錬は、駿の感覚では半年程続いた様に思えていた。そんな時間を過ごしていた最後の仕上げとして、謂わば卒業試験の様な課題をこなしていた時に、いきなり別空間に移送された駿が目覚めると、そこは見た事の無い施設、巨大な装置の中とも思える一種の部屋に居た。
「目が覚めた?いきなり転送して悪かったわね。一寸急いでいたもんで。」ジュガが駿の顔を覗き込みながら言った。
「ここ、何所?」
「うんーん、君達の表現で言うなら宇宙船の中かな。」
「宇宙船?て事は、今宇宙を飛んでるの。」
「ああ、超光速で、所謂ワープ航行で、ある星へ向かってる。」そう言うと、ケイが装置を作動させたのか周囲の白い壁が素通しになって、まるでプラネタリュームに居るように星々が見えた。只一寸違う所は、後方の星の光は無く、左右の星々は光の残像だけを残して消えていっていた。
「惑星コボル、僕らの時代では時空凍結されてしまった惑星で、調査しようにも手が出せない場所さ。この時代なら、まだ何とか成りそうだけどね。」
「そこへ行って如何するんだ?」
「取り合えずは、テラ(地球)での出来事との関連の調査、出来れば、今回の虚無空間の発動の原因を探りたい。」
「その星は、地球の事件と関係がある訳なんだな。」
「うん、エッグの時空揺らぎの足跡をたどったら、コボルにたどり着いた訳さ。」
「曰く付きの惑星だからね、私たちの世界では。古いデータによると地球に良く似た惑星らしいけど、行ってみないと良く分からないね。この時代では、亜空間チューブがまだ造られていないので、実際に飛んで行かなきゃ成らないのが面倒だけど。」
「4.7万光年は、一寸遠いけどね。」
「4.7万光年?行くのに数万年も掛かるじゃないか!」
「大丈夫、この船は速いから、銀河平面をアナログ時計で考えると、3時の位置から21時の場所へ直線で飛んでるような状況かな。」




