第6話 コードを噛むな!
その日僕は好物のインスタントカレーを食べようと思い、面倒臭がりの僕は、お湯では温めず、ご飯にのせてレンジでチンしようとした。
あれっ?レンジが作動しない何度か開けたり閉めたりしたがまったく反応しない。コンセントでも抜けてるのかなとコードを辿ると・・・・
ちぎれてる。 正確には噛み千切られている。
あのくそ野郎!僕は頭に血が上り後ろでぐーたらしてテレビを見ているネズミに一喝した!
「ネズミさんこれ噛み千切ったのあんたでしょう!」
「えっ?なになに?」ねずみは寝ながら顔だけをこちらに向けた。
「あ〜それ?何なのそれ?それメッチャ気持ちいいなぁ。噛み噛みしてるともう時間とかあっと言う間に過ぎちゃうの。この前噛むのに夢中になって、いいとも見逃したもん。」
僕はかっとなり言い返した「これはレンジのコードなんです!気持ち良いかどうかしりませんが、二度と噛まないで下さい!」
「気持ち良いことをして何が悪い?」
「気持ち良くたってダメなものはダメなんです!」
ネズミさんは怒った顔をして僕の足元に来た。
「じゃーもし君の目の前に、エロ本、いや丸裸の女性がカモ〜ンてしてたら君は何をする?思春期の君だったら何をする?」
僕は「いや、その、それは、もちろん・・・」いやらしいことが頭をよぎる。
「そうだろう、目の前にコードが丸裸に置いてあるっていうのはそういうことなんだよ。あったら噛じってしまうんだよ。」
そしてネズミさんは語りだした「結局のところ、ネズミも人間も欲の前では平等なんだということだ。欲の虜。欲の前では逆らえない。違うか?そうだろう?」
「まぁ一理ありますかね。」
「俺はね、俺はまだ丸裸のコードがあるだけ幸せなんだぜ?君は丸裸に出来る彼女はいるのか?」
「いや、いません。」
「だろう。だとすると君より俺の方が人生を楽しんでるってことになるだろう?」
「そ、そうなるんですか?」
「なるんだよう!君も早く丸裸に出来る彼女を作って、もう少し人生をエンジョイしたらどうだい?」
そういうとネズミさんは僕の足をポンと叩き、満足そうにベットに帰って行った。
なんだかんだでまた言いくるめられた。
ネズミはテレビを見ながら「そのコードもう使えないなら切って俺に頂戴。あとで噛み噛みしたいから。」
僕は殺したい衝動に駆られたがふと昔、親から言われたことを思い出した。(大事な物はしまっとけ〜・・)親の言葉が身に染みた。
僕はまだ噛まれていない冷蔵庫と炊飯器、パソコン機器のコードをガムテープで貼り噛まれないようにした。
そしてレンジのコードを根元から切り。テレビに夢中のネズミさんを後ろからコードで突いて遊んでいた。