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第3話 ネズミをからかう

その日、僕はネズミさんが僕のベットを独り占めするので、空いたティッシュ箱の上を削り、タオルを敷き詰めて簡易ベットを作ってあげた。


以外にネズミさんはそれが気に入り、そこから動こうとしなかった。気持ち良さそうに寝っ転がっていた。


ネズミさんは暇そうに僕に言った。

「なぁ君, ネズミの真似ってできる?」

「いやーしたことないですね。」こういうフリは僕は嫌いだ。


「じゃーネズミ語しゃべれる?」

たぶんいつまでも何かやるまでネズミさんは僕にフリ続けるだろうと思い、ネズミ語か・・少し考え

「僕はネズミでチュ−−。」というとネズミはガバッとベットから起き上がり

「えっ?なにお前?あのチュ−−はネズミ語だと思ってたの?」ネズミさんは驚いた顔を見せた。


僕は何となしに「まぁネズミ語かは分かりませんけど、ネズミの声ですもんね。」

うわーっとネズミは後ろに大の字に倒れこんだ。


「まさかそう思われていたとは!」ねずみは天井を見上げて言った

「違うんですか?」僕が聞くと、ゆっくり起き上がり「違うも何も、あれ擬音だぜ!あれ走ってるときの音なの!スピード音なの。チュ−−って走ったら、普通より速く感じるだろ!だからネズミはみんなチュ-−って言って走るの!」


僕は少し疑問に思った。「えっでもネズミって逃げてるときとかって鳴かないですよね。むしろ天井裏とかで走ってないときの方がチュ−チュ−鳴いてません?」


ネズミの動きは止まり、静かに僕を見て「もうばれた?お前の観察力ハンパないな。嘘です。僕嘘つきました。チュ−です。ネズミの声はチュ−です。嘘ついてゴメンチュ−−。」


僕はテレビを見ながら「別にいいですよ。」ネズミさんのノリに付いて行くのは面倒なので適当に流した。ネズミさんはまたバタッと倒れ、大の字で天井を見て少しの間黙っていたが、顔だけムクッと起き上がり「でも夜中にメスとチュ−チュ−しててゴメンな!」僕が見るとネズミさんはニカッと笑った。


僕は目線を外しテレビを見ながら「いいですよ別に」と答えるとネズミさんはバタッと頭を倒した。

少しの間ネズミさんはゴロゴロ転がって暇を紛らわしていたが、テレビを見てる僕を見て、聞いてきた。「ねぇ〜そのテレビって言うのは何なの?人入ってんの?」


えっ?僕は聞いてみた「ネズミさんってテレビ見たことないんですか?」


「うん、今日始めてこんなの見るけど。」


以外にもテレビを知らないネズミさんに僕はちょっとからかって見ようと思った。

「今、科学の進歩で小さい人間がこの箱の中に飼えるようになったんですよ!だから僕のペットみたいなものです。」


ネズミさんは「マジで!こんなアイドルみたいなかわいい子お前飼ってんの?」

ネズミさんは簡易ベットから飛び降り、テレビの近くに行き「そしたら呼んだら聞こえんの?中に入って口説くって可?」


僕は笑いをこらえつつ「大きな声で呼んだら聞こえるかもしれませんよ。そしたら中に入れてくれるかも。」僕はにやにやしながら言った。


「まじでーー!!」テンションの上がってるネズミさんは、ふと時計を見ると、テンションが下がり、我に返ったように簡易ベットに戻り、僕に言った。「ゴメン、8に回してくれる?いいとも増刊号見たいんだけど。」


まさかと僕は聞いてみた「ネズミさんて、テレビ今日初めて見るんじゃないんですか?」ネズミはチラッと僕をみて「俺テレビっ子だし。」そう呟くと、僕から目線を外し、テレビに集中してしまった。


結局からかっていたのは、僕ではなくネズミさんの方で、僕は敗北感の残る中いいとも増刊号を見続けていた。


番組が終りに近づいてきたとき、ボソッと「今時14型とはなぁ・・そりゃ人間も小いさく見えるよ、それを科学の進歩とは良くいったねぇ!」ニヤニヤしながら僕を見た。僕は恥ずかしさで顔が赤くなり、下を向いてしまった。


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