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第2話 やる気なし

翌日ネズミさんにベットを取られ、床で寝ていた僕が起きると、ネズミさんはまだ寝ていた。


「ネズミさん!話しがあるんで起きてください。」


ゴロッと転がり、寝ぼけたネズミさんが「何?ご飯作ってくれるの?」


「違います!本当にするんですか?」


「何を?」


「えっ?だから篭城して社会にネズミの権利訴えるんですよね?」


「あっ!するする。もうすぐにでもするよ。明日からにでも、来週からでもやりたいぐらい。」


「どんどん先伸ばしですよ。今日からとかしないんですか?」


「だって、まだほら、眠いし・・」


「ネズミさん、本当は訴える気なんてないんじゃないですか?」


「あのねぇ、社会に何かを訴えると言うことはね、ものすごくエネルギーがいる事なの、だから今は充電してるの!」


「なんか志し低くないですか?」

そう言うとネズミさんは寝たまま熱く語りだした。


「お前みたいな若造が、簡単に志しとかいうもんじゃないよ!お前志しの本当の意味分かってる?心を刺すと書いて心刺しと読むだろ。」


「いやそう読めますけど、書きませんよ。」


「えっ?書かないの?どんな字?」


「志←こうです。」


「え〜そうなの?変な字。心刺しのがなんか格好良くね?なんか心に直接届く感じがするよね。」


「まぁでもこう書きますからねぇ。あれじゃないですか?武士の心を持つみたいなニュアンスなんじゃないかな?」


「あ〜わかる!それだ!今の俺の状態!そんな感じ!」


「ねっころがってるだけじゃないですか。武士っぽくないですよ?」


「バカだね〜。もう表面だけしか見てないもん!あのね〜、この前、なんかの本読んだらな、宮本武蔵は怪我すると獣のように寝て治していたよ!それなの今の俺は。」


「だってネズミさん怪我してないじゃないですか?獣ですけど。」


「だから表面しか君は見てないと言ったんだよ!俺はね心に深い傷を背負ってるの!心が満たされてないの!ぽっかり穴が開いてるの!」


「なんですか?それ?聞きましょうか?」


「ん〜人間には理解出来ないかもな〜・・・んじゃヒントね、【ペコ】から始まります。なんでしょう?」


ヒントとか言ってる時点で、深い傷なんてないんだろうなぁと思ったが僕は口に出さなかった。

ペコから始まる言葉?お腹がペコペコ?いや〜それは傷にならないしなぁ

「すいません、お腹がペコペコとかじゃないですよね。」


ネズミさんはビクッ!とした。どうやら当たったらしい。えーーー!

「ネズミさん。お腹が空いて心が満たされてないんですか〜?」僕は笑って言った!


するとネズミさんは顔を強張らせて「人間には解からないって言っただろ!あのな、レベルが違うの!もう餓鬼すんぜんのときにな、パンを食べました。そうするとな、お腹も満たされると同時にな、心も満たされるだろ!」


「あ〜はい、分かる気がします。」


「俺はな、今、餓鬼寸前なの、もう本当は今にも死にそうなの。そういう時は心も満たされないの!」


「じゃ〜なんかご飯作りましょうか?」


「違う違う!そう言う意味で言ってるわけではないんだよ!そう簡単なことじゃないの!ただ、君がそうしてくれたら、俺の心は満たされちゃうけどね!」


「だから作りますって!」


「じゃ〜カロリー低いやつで!ダイエット中だから。」


うおーーーーい!!この飽食の時代、日本のネズミは食べ物にあまり困っていないんだろう。

つっこむのも疲れたので、僕はご飯を作ることにした。


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