表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/53

40 ◆

ニーナが悲しいそうに泣いている。

ずっと楽しそうに、ずっとやさしかった彼女が泣いている。

どうしたの、怪我がいたいの。

つよく握りすぎただろうか。それとも


――――まだいうか!

突然、そっぽを向いていた怒っている僕が、眉をさらに吊り上げて、大きな声を出して詰め寄ってきた。


あの人がどうして、誰のせいでないているのか、まだ本当にわからないのか!

 

わからない、わからない、だって、どうして………


この卑怯な臆病者め!自分で勝手に線を引いて、自分で勝手にあきらめて、自分で勝手に傷ついて!お前は何もしてないくせに!お前をなんで買ったかなんて、もうわかっているだろう!

 

でも、でも、彼女の本当の気持ちが僕はまだわからなくて、ちゃんと教えてもらってから………


何をいうか、だからお前は臆病な卑怯者なんだ!言葉がないから、わからないと言うつもりか!お前の目は何を見て、お前の耳は何を聞いて、お前の手は何を感じていた!あの人は言葉なんかなくたって、笑顔で声であの手で握って、ずっとお前につたえてくれてただろう!わからないとはいわせないぞ!


だって………


見ろ、あの人が悲しんで泣いている!

お前のいっていることは、全部お前の都合じゃないか!ほんとはわかっているくせに、自分が痛いのが嫌だから、屁理屈を言って!伝えようともしないくせに、あの人のやさしさに甘えて!そんなので言葉があれば伝えられるというつもりか!

あの人は、あんなに伝えてくれたのに!あんなにもらっておきながら!いまさら知らないとは言わせないぞ!


………わかってた。ほんとはわかってた。だけど、彼女はとてもきれいで、ぼくなんかって思ってしまって。わからないふりして、ごまかして………


ようやく認めたか、この臆病者め!卑怯者め!


伝える事は!

知っている


伝える気持ちは!

持っている、ニーナにあった、あの時から


伝える勇気は!

大丈夫、ニーナが手をつないでくれてるから


伝えることはできるのか!いまさら気持ちだけじゃ伝わらないぞ!

大丈夫、ニーナが教えてくれている


なら早くしろ、この大馬鹿者め!いつまであの人を泣かせておくんだ!


ああ、ニーナ、ニーナ。そんなに悲しそうに泣かないで。

笑ってください、笑ってください。

あなたの笑顔が見たいんです。

あなたが伝えてくれたから、たくさん与えてくれたから、僕は必ずがんばります。

いまからあなたに伝えてみせます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ