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300年引きこもり、作り続けてしまった骨董品《魔導具》が、軒並みチート級の魔導具だった件  作者: 空地 大乃
第一章 フォード領編

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第百九十八話 カエルのような男現る

いつも感想や誤字脱字報告を頂きありがとうございます!

「ひぃ、気持ち悪いカエルさんですぅ!」

「ん? ゲコッ! 誰かと思えばお前らは!」


 突如現れた喋るカエル。それを認めたアレクトが身震いした。まぁカエルと人が一体化したような相手だし嫌悪感を抱くのも仕方ないか。


 それにしても――今のこいつの反応は何だ? まるで私たちを知ってるかのようではないか。


「ゲコ~! ここであったが百年目ゲコ!」

「キャッ!」


 私が疑問に思っているとカエルの口から舌が伸びてアレクトに巻き付いた。


「ひぃ、ヌネヌメして気持ち悪いですぅ!」

「ゲコゲコ! やったゲコ! さぁどうしてくれようゲコ!」


 さっきのゴーレムとの戦いで株を上げたかと思えばこれだ。全く困ったものだな。


「メイ」

「承知いたしました――ハッ!」


 快活な口調で返事し、メイが疾駆しアレクトに巻き付いていた舌を手刀で切り裂いた。


「大丈夫ですか?」

「た、助かりました~」

「ゲコーーーー! 私の舌がーーーー!」


 見たところアレクトは無事なようだ。メイの行動も早かったしな。


 あのカエル男は口を押さえて悲鳴を上げている。自業自得でしかないがな。もっとも本当に痛がってるかは疑問だ。


「わ、私の舌がぁ、これではもう――なーんちゃって!」


 してやったりといった顔でカエル男が再び舌を伸ばしてきた。予想通り舌は再生したか。何か企んでそうな予感はしていた。


「ゲコッ! 捕まえたゲコ!」


 そして今度はメイに舌が巻き付く。勝ったような顔をしているがメイの顔に焦りはない。


「ゲコゲコ! さぁどうしてくれようかゲコ。ゲコゲコ、それにしてもいい体してるゲコね~」

「そんなハレンチな目で見るのは――許されません!」

「ゲコッ!?」


 メイが縛られたまま豪快に回転するとカエル男が浮かび上がりそのまま一緒に回転を始めた。


 ありゃなかなか激しいな。ま、あの程度でメイ相手に何とかなると思ったのが甘かったってことだ。


「まだ回しますか?」

「ヒィイィ! 勘弁するゲコッ!」


 カエル男が舌を引っ込めた。メイは当然解放されたが、当たり前だがその勢いのままカエル男が吹っ飛んでいった。


「ゲゴォォオオオオ!」


 奴は地面に叩きつけられ潰れたカエルのような声を上げた。見た目通りのカエル声だな。


「うぅひどい目にあったゲコ」

「おい」

「何ゲコ? ゲコーーーーーー!」


 泣き言を口にしているカエル男にマイフルを向けた。


 目玉が飛び出でんばかりに驚くカエル男は地面に頭を擦り付け命乞いをしてくる。


「許して欲しいゲコッ! 死にたくないゲコッ! 前の事も謝るから命だけは許して欲しいゲコッ!」


 なんとも見苦しい気もしないでもないが、さっきから気になることを口にしてるなこいつは。


「妙なことばかり口にしているな。私はお前のようなカエルに知り合いはいないぞ?」

「ゲコーーーーーー! 忘れたでゲコかっ! この私を冒険者ギルドから追い出しておいて酷いゲコッ!」

「は? ギルドから追い出した?」

「そうゲコッ! 私はフログだゲコッ! 聞き覚えがないとは言わせないゲコッ!」

「……いや知らんな」

「ゲコーーーー!」


 何か随分と驚いているが本当に全く覚えがないぞ。


「あ、待ってください。フログってまさか以前依頼をくれたフログ職長ですか?」

「ん? 何だアレクト知っているのか?」

「御主人様。最初に魔導ギルドに向かった時にいた男です。魔草採取の」


 メイが耳打ちしてきた。魔草――そうか思い出した。確かにそんなのがいたな。私は基本どうでもよさそうなことはすぐ忘れる質だからうっかりしてたな。


 しかし――少なくとも以前見た時はカエルのような顔をしてはいたがまだ人間だった筈だが今は明らかにカエルと同化してるように思えるな。


 一体どうなってるのか?

コミカライズ版単行本4巻が9月12日発売予定です!

どうぞ宜しくお願い致しますm(_ _)m

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― 新着の感想 ―
[一言] オタマジャクシからカエルになることを両生類の変態といいます。
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