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300年引きこもり、作り続けてしまった骨董品《魔導具》が、軒並みチート級の魔導具だった件  作者: 空地 大乃
第一章 フォード領編

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第百九十七話 アレクト、危険からの機転?

 あの体勢は不味い! 私は急いでマイフルを準備しアレクトを救出しようとスコープを覗き込んだ。


「ハァアアァアアアアァア!」


 だが、それは杞憂に終わった。なぜならアレクトが魔法を行使し蔦でフレッシュゴーレムの動きを一瞬だけだが止めたからだ。


 そうだったアレクトは植物を操る魔法が得意だったんだ。ここは森の中アレクトの魔法には最適な場所だろう。

 

 勿論それも本来なら一時しのぎにしか過ぎない。フレッシュゴーレムの力ならあの程度の蔦すぐに引きちぎれるからだ。


 しかし今のアレクトにとって重要なのはその一瞬の時間稼ぎだった。ゴーレムを縛った蔦を上手く自分にも絡めたことで完全に落下することなくアレクトが落下途中で留まった。


 そのまま振り子のようにして再度フレッシュゴーレムの腹に近づき――


「インパクトハンドーーーーーー!」

「――ッ!?」


 アレクトの二度目の衝撃がフレッシュゴーレムに炸裂した。一撃では倒しきれなかったが二度目の衝撃は腹を貫き更に光が内部から膨れ上がりフレッシュゴーレムの全身がボロボロに崩れていく。


「や、やった、倒しました、て、ヒッ、そういえばどうやって着地したらーーーー!」


 だが、フレッシュゴーレムが崩れ落ちたことで支えとなっていた蔦も意味をなくしアレクトの体が自由落下を始めた。


 すると優雅なメイドが颯爽と飛び出し空中でアレクトを受け止めた後、軽やかに着地を決める。うむ、流石はメイだ判断が早い。


「め、メイさん!」

「怪我はありませんか?」

「は、はい! おかげさまで!」


 アレクトの無事を確認しメイが微笑む。


「よく頑張りましたね。御主人様も褒めておりましたよ。機転を利かせた素晴らしい仕事ぶりでした」

「え? そ、そうかなぁえへへ~」


 メイに褒められてアレクトがだらしなく笑った。そういうところが様にならんな。


 とは言え――確かに今回はよく頑張ったな。


「どうですかエドソンくん。お姉さんはやるときはやる女なのです!」


 そして私の前に戻ってくるなりえっへんと調子に乗り出した。鼻がすごく高くなってるぞ。


「ま、多少は認めなくはないな」

「またまた~照れちゃって~いいんですよもっと無邪気に喜んでくれても」

 

 こいつは――折角多少は評価してもいいと思ったというのにこれだ。


「……調子に乗るな。もっともそれは私も一緒だがな――悪かったな危険な目に合わせて」

「へ? えっと、どうしたのですか? 熱でもあります? おくすりいりますか?」


  アレクトが私の額に手を当てて心配そうに聞いてきた。失敬な奴だな。


「それにしてもとんでもない怪物もいたものですねぇ」

「まぁ多少はな。しかし――」

「何か気になるのですか御主人様?」


 改めてフレッシュゴーレムの残骸を見て考え込む私にメイが問いかけてきた。


 メイは私の表情の変化などにすぐ気がつくな。


「このフレッシュゴーレム自然に発生した魔物ではないな。恐らく何者かによって作成されたのだろう。しかもわりと最近にな」

「え! そうなのですか!? でもこんな魔物そう簡単に出来ませんよね?」


 アレクトが目を丸くさせていた。まぁ私からすればそこまでのことではないがこれまで見てきた人間の技術や知識を思えば違和感がある。


「――気になるところではあるが逆に言えばこのフレッシュゴーレムがいた以上、やはりここには何か隠されていると見るべきだろうな。探索を続けるとしよう」


 そして私たちは再び森の中を移動した、が、そこから先は早かった。


 フレッシュゴーレムに鑑定眼鏡を通したのが良かった。そこから魔力の残滓を元に調査虫(サーチバグ)を飛ばした結果、ポツンっと佇む建物を見つけたのだ。


「こんなところにぽつんと佇む建築物! 明らかに怪しいのです!」

「まぁそうだな」


 アレクトが興奮していた。怪しいのは見ればわかるがな。


「御主人様。何者かの気配を感じますお気をつけを」

「あぁ、ありがとうメイ」


 メイに言われ警戒心を高めつつ建物に近づいていく。すると何者かが建物から飛び出してきて私たちの行く手を阻んだ。


「ゲコォォオオオ! 何者かはしらんゲコがこの建物に近づくなら容赦はしないゲコッ!」

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