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300年引きこもり、作り続けてしまった骨董品《魔導具》が、軒並みチート級の魔導具だった件  作者: 空地 大乃
第一章 フォード領編

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第百九十二話 泉の秘密を解き明かす?

いつも感想や誤字脱字報告を頂きありがとうございます!

 おお! どうやら子どもたちが何かに気がついたようだな。俺にはさっぱりだが一体何を始めるのか。


「糸が必要だね~」

「つり合いを見るための棒と――」


 そして子どもたちは糸と木の棒を用意して左右に硬貨を吊り下げた。


 そしてそれを水の張った泉に入れた。俺にはこれが何を意味するかさっぱりだったがアンジェがすぐに変化に気がつく。


「うん? 水中でバランスが崩れたぞ?」

「やっぱりだ!」

「そうだね。この調子でバランスの取れる方を探そう!」

「「「「「オーーーーーー!」」」」」


 俺から見たら不思議な光景だったが子どもたちが繰り返していると確かに水中でもバランスの崩れない金貨が出てきた。


 これを子どもたちは選別して分けていく。その後は銀貨と銅貨でも似たような真似をしていった。


「こりゃ一体どんな魔法なんだ?」

「えっとねこの金貨は見た感じは一緒でも実際は違うんだ。だから基準となる硬貨が残されていたんだよ~」

「だから基準の硬貨と水中でつり合うのを選んでるのー」


 うむなるほど。わからん。


「出来た~」

「後はこっちの金貨、銀貨、銅貨をそれぞれ泉に書かれた枚数入れていけば」

「大丈夫だと思うの~」

「ふむ。なるほど……そういう仕掛けか」


 子どもたちの話を聞きアンジェが納得したようにうなずいていた。すげぇぜアンジェ。俺にはさっぱりだ!


「とにかくやってみるか」


 子どもたちの言うように俺たちはそれぞれの泉に書かれた枚数の硬貨をそれぞれ入れていった。


 そういえばそれぞれの泉によって金貨の多い泉、銀貨の多い泉、銅貨の多い泉でわかれてたな。


「さていよいよこれが最後の一枚だな」

「何か起きるのかな~?」

「わくわく」

「どきどき」


 子どもたちが固唾を飲んで見守っていた。そんな中、俺は最後の金貨を泉の中に入れた。


――ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ……。


 すると突然地の底から何者かが唸るような声が聞こえてきた。その上部屋も揺れ始める。


「こいつは一体?」

「マザー・ダリア! 子どもたちを安全な場所に!」

「は、はい!」


 部屋全体が揺れだしたからアンジェは何か危険な事が起きると考えたようだ。


「あ! 見て見て硬貨が呑まれていくよ!」


 子どもたちの一人が声を上げた。見ると確かに泉に入れた金貨、銀貨、銅貨が呑み込まれていく。


「今度は向こうの泉の水だよ!」


 この様子の変化に院長とアンジェも目を奪われていた。最初に水の溜まっていた泉の水も確かにどんどん減っていく。


「今度はこっちの泉に水が……」

「こんな仕掛けがあったなんて……」」


 アンジェの言うように硬貨が呑まれた三箇所の泉に今度は水が溜まっていった。


 しかもどんどん増えていきしまいには――水が吹き上がった。そう噴水だ。空だった泉が噴水になりやがった。


「わ~!」

「きれい~」

「すっご~い!」


 子どもたちがはしゃいでる。中々壮観な光景だからな。


「これが隠された秘密なんですね」

「う、うむ確かに見事だが……」


 最初は危険を感じていた院長も今は笑顔だ。だがアンジェは怪訝そうでもあるな。それは俺も一緒だ。


 兄弟が気にしていた秘密が噴水だけとは思えないからな――そしてその予想はあたっていた。


 しばらくすると空になった噴水がまた唸りを上げて回転を始めた。


「これは噴水が壁に――」


 アンジェが呟いた。噴水が回転したことで裏側の壁と入れ替わりになっていったからだ。しかも――


「こいつは驚いた。噴水のあった場所に――階段とはな――」


 どうやら兄弟の予感はあたったようだな。まさかこんな凝った仕掛けの隠し階段があったとはよ。一体この下はどこと繋がってるんだかな――。

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