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300年引きこもり、作り続けてしまった骨董品《魔導具》が、軒並みチート級の魔導具だった件  作者: 空地 大乃
第一章 フォード領編

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第百八十話 エドソン一行、捕まる?

いつも感想や誤字脱字報告を頂きありがとうございます!

またあとがきに大事なお知らせを載せてありますので宜しくお願い致します。

「どうだアンジェリーク! 貴様ら騎士団がモタモタしているからこの私が直接やってくれたわ! やはり騎士団など魔法団と比べたら脆弱な存在よ!」

「やれやれ。あの程度で何を宣っているんだか」「は?」


 ツバを飛ばしながら得意がるマーシルを横から眺めつつ居場所を教えてやった。全く我ながら親切だな。


「は? な、何ぃいぃいい! 馬鹿なこの私の上級魔法から逃れたというのか!」

「あれが上級魔法? 冗談でしょ。魔法が発動してから効果が発揮されるまでが長すぎる。欠伸が出るかと思った程だぞ。アンジェの剣術とあの拙い魔法を比べるなんておこがましいにも程がある」

「あ、が――」


 私が思ったままを告げると、マーシルは顎が外れたかのように口をパクパクさせて呆けてしまった。


 その様子にアンジェがプッと吹き出している。マーシルに睨まれてすぐに表情を取り繕っていたがな。


「ゆ、許さんぞ貴様! この私の魔法をコケにしおって! ならば次は最上級魔法で決めてくれよう! 深炎なる紅蓮の翼状、全てを焼き尽くす業火の調べ、炎の戦神ソド――」

電撃棒(スタンロッド)

「ギャァアァアアアァアァアアアアアァアアアアアアアアアアアアッ!」


 マーシルが悲鳴を上げて倒れた。プスプスと煙も上がってるな。髭も焦げてるし。意識も完全に失ってる。幾ら魔術師だからって脆すぎだろう。


「……容赦ないな」

「そりゃ、まぁ。あんな長々とした詠唱待ってる理由もないし……」


 アンジェが目を細めて言った。しかし私にも言い分はある。大体何でこの団長とやらは一人でやってきたのか。騎士を小馬鹿にしていたようだが、詠唱が必要な魔術師なら術の完成までに守ってくれる盾役と組むのは基本中の基本だというのに。


「意味不明過ぎる奴だったな。これなら君と戦った方が楽しめる」

「そうですか。ですが楽しいで済むほど私は甘くありませんよ」

「はは、それは楽しみ――」

「そこまでだ!」


 改めてアンジェと対峙する私だったが、威勢の良い声が割って入った。


「貴様の仲間はこの通り捕まえた! 仲間に危害を加えられたくなければ無駄な抵抗はやめることだ!」

「ご主人様申し訳ありません。油断しました」

「私が悪いんですぅ! 肝心なところで魔導具が不発してしまって捕まってしまったからぁ~ひぃごめんなさ~い!」


 見るとメイとアンジェが縄で縛られて地面に座らされていた。


 ありゃもう捕まってしまったか。まぁアレクトの衝撃手袋(インパクトハンド)はまだ試作品状態だったし、安定性が課題ではあったのだけどね。


「……さて。どうするエドソン?」


 アンジェが聞いていた。降伏するかどうかってところだろう。


「はは、どうするも何も。こうなったら仕方ないね。わかったよ私の負けだ。大人しく従うよ」


 両手を上げ私は白旗を翳した。アンジェとは魔導具のテストも兼ねてもう少し戦ってみたかったけど仲間が捕まってしまってはね。


「それで美味しいお茶は用意してくれるんだよね?」

「……善処しよう。さぁ皆の者、エドソン達は降伏した。抵抗もしないと言っている! まだ容疑の段階だ無茶はするなよ!」


 こうして私達は騎士たちに手枷を嵌められ屋敷にまで連れて行かれることとなった。


「アンジェ様。魔導ギルドには他にも使用人がいたそうですが……」


 兵士の一人がやってきてアンジェに向けて発言する。


「それは勘弁してやってくれ。皆手伝いで来ていただけで詳しいことなんて何も知らないんだ」


 だから私が彼らの事情について伝えた。アンジェは耳を貸してくれたようであり。


「……メインはこの三人だ。他の使用人にわざわざ時間を掛ける意味はない。いいな?」


 私が気持ちを伝えたことでアンジェは理解してくれたようだ。騎士や兵士に命じて手出しさせないようにしてくれた。


 ふぅ、これで残った皆はとりあえず安心だな。


「うぅ、本当にごめんなさいぃ……」

「アレクト様。そう気を落とさず」


 私達は手枷を嵌められ縄で腰を縛られた。アレクトは随分と反省しているようだ。メイが励ましているし。


「兄弟! クソこれは一体どういうことだよ!」


 おや? この声――見るとハザンが人垣を掻きわけて近づいてくるのがわかった。


「ちょっとどけてくれ! おいアンジェ! あんたこんな真似してどういうつもりだ!」


 そしてハザンがアンジェに詰め寄る。アンジェは横目でハザンを見ていた。


「この一行はハリソン家に対して反乱を企てていた、そういう容疑が掛かっている」

「ざけんな! こいつらがそんな真似するわけないのはあんたが一番わかってるだろうが! 悪魔を倒すのに協力したのは誰だ! それだけじゃねぇこれまでだって散々!」

「クドい――それ以上口を開くなら協力者として一緒に引っ捕らえるぞ!」


 ハザンを睨めつけアンジェが言い放つ。怜悧な瞳だ。だが、ハザンは納得してないようだ。


「見損なったぜアンジェ! お前がそんな奴だったとはな――兄弟待ってろ! こいつらぶっ飛ばして今すぐ助けてやる!」

「ハザン――いいんだ」


 ハザンがソードリボルバーに手を掛け今にも切りかかりそうな圧力を発した。周囲の騎士たちが思わず怯む程のプレッシャー。


 だから私はハザンにやめるよう伝えたんだ。


「私は大丈夫だハザン。だから後のことは頼んだぞ」

「は? な、何だよそれ! こんな連中に従って大人しく捕まるってのかよ! てか後のことって!」

「黙れ。貴様はエドソンの気持ちがわからんのか!」


 納得のいかない顔を見せるハザン。そんなハザンにアンジェが諭すように言った。


「これ以上暴れるなら私はお前を捕まえなければいけない。エドソンは自分たち以外は関係ないから許してほしいとまで言ったのだ。それなのに貴様が暴れたら必然的に他も疑う必要が出てくるのだぞ!」

「あ、ぐ――」


 アンジェに言われハザンも言葉を失った。


「畜生俺は、俺は、無力なのか」


 ハザンがガクッと膝を落とし項垂れた。その姿を認めアンジェが私達を連行するように皆に告げる。


「その男はいいのですか?」

「……この男は冒険者だ。魔導ギルドの世話になっていたようだからつい癇癪を起こしたのだろう。放っておいても問題ない。第一下手な真似をして冒険者ギルドと敵対するのはハリソン伯爵も不本意だろう」

「わ、わかりました!」


 こうしてハザンも放置され私達はハリソン家まで連れて行かれる事となった。さて、これからどうなることやら――

皆様いつも「300年魔導具」を読んで頂きありがとうございます!

さて実はこの度、なんと本作が正式にコミック単行本として発売されることとなりました!

はいつまり紙媒体で販売されるということですやったね!これも応援してくださる皆様あってこそ!

本当に感謝してます。これまでは電子で1話ずつの配信でしたがこれで纏めて読んもらうことが出来ます。

なお発売予定は2022年5月12日で実は自分の誕生日だったりもします。既に一部では予約も始まってますのでどうぞ宜しくお願い致します!

それでは今後も更新を頑張りますので今後もエドソン達の活躍に期待してくれると嬉しいです!

そして記念に評価などしてもいいかなぁと思って頂けたら是非――いいね、感想もお待ちしてます!

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