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300年引きこもり、作り続けてしまった骨董品《魔導具》が、軒並みチート級の魔導具だった件  作者: 空地 大乃
第一章 フォード領編

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第百七十五話 伯爵家からの手紙とお茶会?

いつも感想や誤字脱字報告を頂きありがとうございます!

「エドソンさんにお手紙が届いてますね」


 朝、魔導ギルドに赴きメイの淹れてくれた紅茶を楽しんでいるとブラが私宛の手紙を持ってきてくれた。


「私に直接手紙とは珍しいな」


 ふむ、手紙というものを貰ったのはいつぶりだろうか。間違いなく三百年以上前だがな。


 しかしこれも魔導具があればもっと色々やりようがあるかもしれないな。例えば書かれた内容を一旦マイフ化し魔導具を通した画面に表示するとか――


「エドソンくん。何の手紙なのです?」

「おっとそうだった」


 アレクトに言われハッとなった。魔導具の事となるとついつい余計なことを考えてしまうな。


「ご主人様、また魔導具について考えておりましたね」

「あはは――」


 流石メイは鋭いな。さて手紙にはしっかり封蝋がされていた。しかしこの家紋――


「ふむ。どうやらハリソン伯爵家からの手紙のようだな」

「えぇ! 伯爵家がうちに!?」


 アレクトが興奮しだした。もっともブラの言うようにギルドにではなく私宛に届いているのが気になるところだ。


 とりあえず開封し手紙の内容に目を通す。


「――どうやら孤児院の件を耳にしたようだね。活躍に驚いているとある」

「へぇ~伯爵家にまで知れ渡ってるなんて凄いです!」


 アレクトは驚いているが、そもそもあの件にはその伯爵も絡んでると思うのだがな。


「しかし遺産の件はやっかみも多いと思われるから引き続き気にかけておくと安心ともあるな」

「流石伯爵ともなれば違いますね! 孤児院一つにここまで気を遣ってくれるなんて心が広いです!」


 アレクトが目を爛々と輝かせて言った。全く相変わらずおめでたい性格だな。


「後は以前にもあったお茶会への正式な誘いのようだな」

「お茶会ですか?」

「あぁ……」


 メイも手紙の内容が気になったようだ。差出人はハリソン家で執事をしているルイスか、しかし――


「凄いじゃないですか! 伯爵家から直接招待されるなんて! あ、どうしよう! こういう時何を着ていけば失礼にならないのかな?」


 既にアレクトが行く気満々になってた。別にお前も誘われているなんて私は一言も言ってないぞ。


「不思議ですね――ご主人様、それはいつの予定なのですか?」

「それが近日中にお迎えに上がるので上手く調整し必ず予定をあけておいて欲しいと、そう書かれていてな」

「えぇ! 大変です! すぐに準備しないと!」


 アレクトがワタワタしだした。全く見ていてあきない残念さだ。


「それにしてもいつかわからないとなると調整が大変ですね」


 ブラが若干困ったように口にする。確かに少々横暴にも思えるお誘いだが――さて……。






◇◆◇

sideドイル


「よぉドイル前は随分と世話になったな」


 ハリソン家に向かうと驚いたことに、あのドラムスの姿があった。孤児院の件で捕らえられたと思ったが、しかしその横に立っているのはタムズ・ハリソン――今のハリソン家の当主だ。


 ということは裏で手を回したか――


「まさか釈放されているとは驚きですな」

「ふん。当然だ! 私は騙されたのだからな。そうだ私は無実なのだ!」


 ? 何だ? こいつは以前から無知でそのへんのごろつきと変わらない愚かな男だったが猫を被るぐらいは出来ていた。


 だが、今はまるで欲望がそのまま表に出たような顔をしている。目も血走っていて狂気じみた顔だ。


「……ドラムスのことはともかく」

「あぁん? んだとてめぇ!」


 とにかく私は伯爵に呼ばれたのだからドラムスに構ってる場合ではない。そう思って話を変えたのだがドラムスがやたら噛み付いてくる。


「待てドラムス。ドイルには頼む仕事がある」

「んなもの俺に任せてもらえれば上手くやりますよ。こんなガマガエルに頼らなくてもなぁ!」

「な、くっ、この私を侮辱するか!」

「まぁドイルも落ち着け。ドラムスもだ」

「だが」

「黙れと言っているんだ」


 随分と絡んでくるドラムスだが、タムズの一言で急に大人しくなった。


「さてドイル。お前を呼んだのは他でもない。これからお前には大切な仕事がある――」


 そしてタムズは私に仕事を伝えるがそれには正直驚いた。


「本気ですか? しかしあれは正式に……」

「問題ない。あんなもの所詮魔導ギルドが小賢しい手を使った結果でしかない」

「ハリソン卿。あまり魔導ギルドを甘く見ないほうが宜しいかと」

「勿論甘くなど見ていない。私がお前にこの仕事を命じたのは、魔導ギルドそのものが無くなるからに他ならない」


 タムズ伯爵に警告のつもりで伝えたが、その後のセリフに私は耳を疑った――魔導ギルドがなくなるだって?


「それは一体――」

「失礼いたします御主人様」


 私が反問するとそこへこの屋敷の執事であるルイスが姿を見せた。


「予定通りアンジェリーク率いる騎士団が魔導ギルドに向かいました」

「騎士団が魔導ギルドに? それは一体どういうことでしょうか?」

「フンッ。決まっている。魔導ギルドは密かに反乱を起こす準備を行っていた。魔導具を用いてな。よってエドソン及びその仲間達も罪人として全員捕らえるのだ。当然魔導ギルドも取り壊しとなる。どうだこれで心置きなく仕事に取り掛かれるだろう?」


 そう言ってタムズ伯爵が不敵な笑みを零した――

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どうぞ宜しくお願い致します!

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