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300年引きこもり、作り続けてしまった骨董品《魔導具》が、軒並みチート級の魔導具だった件  作者: 空地 大乃
第一章 フォード領編

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第百六十六話 不機嫌な魔導具師

いつも感想や誤字脱字報告を頂きありがとうございます!

「アハハハッ。破斬のハザンも大したことないよね~」

「へへっ。所詮脳筋ってことだ。魔法への対処はど三流だったってわけだ。何がBランク冒険者だ情けねぇ」

「逆に言えばいつまでたってもAランクに上がれない中途半端なゴリラだったってことだろう」


 ふん。確かに今のはハザンも迂闊だったとは思うが、全くこいつら随分と勝手なことを――


「……御主人様少々顔に感情が出すぎかと」

「う~ん? そうかなぁ?」


 ハザンのことで私がそこまで思うことはないと思うのだがな。あんな連中に好き勝手言われてるのはちょっとだけ気分悪いが。


「さぁ残ったのはガキとエロいメイドだけだ。さっさと終わらせ――」


――ドンッ!」

 

 リボルバー(回転式魔銃)を抜きトリガーを引いた。魔弾が発射され天井近くで弾けると青白い粒子がばら撒かれる。


「な、なんだ? あいつら何をしたんだ?」

「え? ちょ、待ってよ! どうしてハザンが!」


 魔法を行使した女が随分と驚いているな。ハザンの動きを封じていた魔法が消え去ったからだろう。


「おいおい動けるぜ。もしかしてこれを兄弟が?」

「あぁそうだ。魔法妨害の魔弾だ。この効果が続いている間はあいつらの魔法は発動しない」

「そ、そんな――魔法封じってこと? くっ! ストロングホールド!」


 女がしきりに魔法を発動させようとしているが無駄なことだな。あの程度の腕前じゃ破れない。


「お、お前らもぼーっとしてないで魔法使えよ!」

「さっきからやってるわよ!」

「俺の魔法も発動しないぜ」

「な! 馬鹿な! 魔法使いが全員封じ込められたのか!」


 連中が随分と驚いているな。しかしやはりこいつらレベルが低いな。


「言っただろう? 今この孤児院では魔法そのものが使えない状態だ。しかし驚いたぞ。ハザンに随分と偉そうなことを言っていた割にこの程度のことも見抜けないとは。どうやら貴様らの魔法の腕こそド三流だったようだな」

「御主人様――煽られますね」

「はは。だが助かったぜ兄弟ありがとうよ!」

 

 別に大したことじゃない。ちょっとした意趣返しのようなもんだ。


「お、おいおいどうするんだよ!」

「あ、あわてんな。だいたいアイツら馬鹿だぜ。まさか本当にここまでの魔導具を使うとは思わなかったが、これであいつらも魔法も魔導具も使えないってことだ!」

「やれやれメイ」

「はい御主人様」


 メイが魔法を行使し、慌ててる魔法使い達を漏れなく拘束した。さっきの女が使ったのより強力な拘束魔法だ。一人なんてケチくさい事言わず一度に魔法使い全員拘束してやったぞ。


「ひぃ! どうしてあいつら魔法が!」

「私達は使えなかったのにぃ!」

「ば、馬鹿などうなってやがる!」


 やれやれ本当に理解してないのか。私が使った魔弾はあくまで魔法の妨害用だ。


 魔法を扱うということはマイフに干渉するということだ。術者本人だけではなく外側のマイフにもな。


 その際には魔法を発動するための法則がありそれに従ってマイフ粒子にも一定の動きがある。私の魔弾はその動きを阻害し魔法を発動させない。


 これは逆に言えば阻害する術式(コード)さえ理解し解読できれば影響を受けず魔法の発動も魔導具を利用することも可能ってことだ。


 メイが魔法を使えたのもそういう理由だ。メイは魔法の知識も膨大な上、マイフの動きも見える。


 私の発動した妨害コードから逃れて魔法を発動させるなんて朝飯前さ。


「というわけで今の状況、わかりやすく言えばこっちは魔法が使い放題でハザンも無事。そっちは魔法使いがこぞってポンコツ化したってことだ。さぁどうするかな?」

「くっ、だ、だったら何だってんだ! 数はこっちの方が勝ってんだお前らいくぞおらぁ!」


 そして連中が一斉に襲いかかってきたわけだが。





「お前らさぁ……本当にこの程度の腕で何とかなると思ってたのか?」

 

 ハザンが頭を掻きながら嘆息する。その足下にはのされた冒険者達が転がっていた。


 全く歯ごたえがなかった。ハザンが剣を一振りしただけでほぼ勝負は決まったし。ハザンが苦手そうだった女冒険者に関してはメイが片付けた。


「ば、馬鹿な。こんな馬鹿な。腕利きの冒険者を雇ったというのに」

「だから言ったのだ。舐めるな、とな。どうしようもないなお前は」


 絶句するドラムス。そしてほとほと呆れたという様子のドイル。


「くっ、さっきから何だ貴様は! そんな下らないことを言ってる暇があるなら少しは!」

「エドソンさん大丈夫ですかーー!」

「孤児院で暴れてるのがいると聞いたが本当かね?」

「むっ? 一体何があったのだこれは?」


 ドイルに向けて文句を言うドラムス。だがそこで姿を見せたのはガードだった。しかもどうやらどこかで騒ぎを聞きつけたのか衛兵まで連れてきてだ。そして――


「さぁ来るんだ」

「ま、待て! 何故だ! 何故この俺がこんなことに! ドイル! 何とかしろ! 何とかしろよ!」

「ほら抵抗するな」

「早く来なさい。話は後で聞くから」


 そうドラムスは衛兵に拘束された。これだけのことをしたんだ当然だろう。


 この状況で力づくの行動に出たことで驚いたのはこれがあったからだ。ただでさえ遺書が出てきて不利なのにこんな騒ぎを起こしては自ら遺産を放棄してるのと変わらないのだからな――

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