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300年引きこもり、作り続けてしまった骨董品《魔導具》が、軒並みチート級の魔導具だった件  作者: 空地 大乃
第一章 フォード領編

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第百三十四話 デニーロとの契約

コミカライズが決定いたしました!

 イフリートと悪魔を倒した私達は鉱山を出て、デニーロに報告した。もうこれで鉱山の問題も片付くだろうと教えると随分と喜ばれた。


「本当に何とお礼を言ってよいか! 感謝してもしきれません!」

「何、大したことではないさ。それに、こちらにも利があってやったこと」


 私がそう答えるとデニーロが満面の笑みを浮かべて約束してくれた。


「はい! 勿論、今後の取り引きはエドソン様と優先的にやらせて頂きますよ! 火の魔石も好きなだけ持っていってください!」

「ありがとう。しかし、必要な分は勿論しっかり購入させて頂くよ。商売に関してはフェアにいきたいので」


 私がそう伝えると、更に感動した様子で、両手を広げた後、私の手をとって腕を上下に振った。


「なんと律儀な御方か。フレンズ様。このような素晴らしい御方を紹介して頂き感謝ですぞ!」

「いえいえ、喜んで頂けたなら何よりです。今後とも是非、良いおつきあいをして頂ければと思いますよ」


 そしてその後はフレンズの用意した契約書を交わし、火の魔石と魔導具の取り引きが可能となった。


 よし! これで魔導列車に必要な材料が手に入ったぞ!


 そして早速我々は火の魔石を購入していくことにした。選定は折角だからロールスにやってもらう。魔石の目利きもドワーフは一流だ。


「この火の魔石、純度も高いしかなり質が良いよ。いい買い物をしたねエドソンくん」

 

 火の魔石を選びながらロールスが品質を褒めていた。


「いや、お恥ずかしながら私は魔石についてはあまり詳しくなく。ですがロールス殿にそう言ってもらえるなら自信が湧きます」


 デニーロが面目なさげに頭を擦るが、同時にロールスに敬意を払ってもいる。宝石好きだけに細工師としての腕が一級品のロールスをすっかり見直したといったところか。


「それにしても魔導列車とか話が大きくなってきたね」

「しかも領地とは全く関係なく始めるわけですからね」


 アレクトが若干戸惑いの表情を浮かべながら口にし、フレンズは感心したように頷く。


「おうよ! そうだどうせならもうそこをエドソン領にしてしまうというのはどうだ?」

「それはいい考えですな! 私も全力でサポート致しますよ!」


 そしてハザンはまたとんでもないことを考えなしに口にした。デニーロも乗り気なようだが。


「悪いけど私は領地を持つつもりはないよ。私にとって大事なのは何より研究。領地に縛られるなんて御免なのさ」

「確かに旦那様は、屋敷でもずっと引きこもって魔導具の開発をされていた程の魔導馬鹿ですからね。領地経営などとても無理でしょう」

 

 ブタンが鼻息混じりに言う。若干呆れ顔でもある。じ、自分から言ったこととはいえ、こうもはっきりと言われると腑に落ちないな。


「御主人様はとても好奇心旺盛なのです。一つの場所に留まり領地のことだけ考えるというのは性に合っていないのでしょう」


 メイが補足するように言ってくれた。流石メイ私のことをよく理解してくれている。


「選定終わったよ」

「あぁ、ありがとう」


 そうこうしているうちにロールスが魔石を選び終えた。大量の魔石が山になっている。これだけの魔石をこんな短時間で選ぶとは流石といったところか。


「いやいや、こんなにも購入頂けるとは。しかしこれだけの量を持っていくのは大変では?」

「全く問題ないさ」


 そう言って私は大量の魔石を全て無限収納リングに収めた。

 この中にはいくらでも物が入るからな。火の魔石はすぐにでも必要だし、一度で一気に持っていきたい。


「これで良しと。また必要になった時にはすぐにでもこさせてもらうよ」


 場所もわかったから瞬間移動扉でこようと思えばいつでも来れる。もっともいずれは魔導列車をここにまで結べればいいと思うが。


「「「「…………」」」」

「うん? 皆どうしたんだ?」


 色々と思考していたが、誰も一言も喋らず黙っていることに気がついた。まるで時が凍りついたようだぞ。


「い、いやいやいや! 今のは一体なんなのですかエドソン様!」

「驚きましたよ! え? あれだけの魔石が一瞬にして!」


 フレンズとデニーロが泡を食ったような顔で一気にしゃべり出した。全く何だそんな目を白黒させて。


「うん? 私の魔導具に収納しただけだぞ。別に普通なことだよね?」

「いや、前から思ってましたけどエドソンくんの普通は全く普通じゃないよね」


 何故かアレクトに呆れられてしまった。こ、こいつにそんな顔されるとは。


「ふぅ、やれやれ。やはり私の心配していたとおりになりましたね。御主人様はご自身の作成した物の価値を全く理解しておりませんから」


 ブタンまでも呆れ顔だ! 解せんぞ!


「皆様、御主人様の魔導具は確かに少々特殊です。故に正式に販売されている物以外はどうぞご内密にして頂けると嬉しく思います」

「あっはっは。メイも何を言い出すかと思えば。こんな物別に内緒にしなくても」


 メイがフレンズとデニーロに頭を下げて妙なことを言い出した。全く大げさだよなぁ。その慎重さもメイらしいけどね。


「勿論ですメイ様。このようなとんでもない代物、下手に表に出ては世界が揺れ動きますからね」

「私も今見たものはみなかったことに致します。ですが私が言うのもなんですが、あまりあぁいったものは堂々と使われない方がいいかと」


 いや! フレンズもデニーロも真剣な顔で何言ってるの! 世界が揺れ動くとか見なかったことにするとか! そんな世界が変わるみたいな馬鹿な話はありえないからね! 全く本当にたかだかいくらでも物が入る魔導具ぐらいで、何をそこまで驚いているのだ。


「う~ん、でもエドソンくんってそういうの無頓着そうだもんね」


 ロールスが笑顔で言った。無頓着とは失礼な。この程度で慌て過ぎだと思ったまでなのだ。


「全く旦那様にも困ったものです。今もきっとこの程度のいくらでも物が入る程度の魔導具で何をそんなに驚いているのか、などとというトンチンカンなことを考えてそうですからね」


 なんだろう。ブタンにそこはかとなく見透かされてそうな気がするのは。


「いや、しかし流石兄弟だな。腕輪にこんだけの物が入るなんて驚きだぜ。これは売りに出せば結構売れるんじゃないのか?」

「いやはやハザンも甘い。この程度きっと都会にいけばゴロゴロしているのだろうし、そこまでの価値はないさ」

「え~と、それより性能の落ちるマジックバッグにかなりの値段がついてるのですが……」


 アレクトが引きつった笑みを浮かべていた。うん? しかしマジックバッグは鞄としての価値が認められているだけではないのか?


「魔導具のこと以外は少々ぽんこつな面も見え隠れする御主人様ですが、私はそこもいい意味で素敵だと思ってます」

「えっと、褒めてるんだよね?」


 何か色々と失敬な気もしないでもないが、とにかく火の魔石は手に入った! これでようやく魔導列車開発も前に進むぞ!

活動報告にも書かせて頂きましたが、この度、本作のコミカライズが決定いたしました!

BOOKLIVEにて本日より電子版が配信開始されています。

期間限定で1話無料で読めます。漫画になったことでより活き活きとキャラが描かれております!

よろしければこの機会に漫画版も是非よろしくお願いいたしますm(__)m

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