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「な、なるほど。

つまり、ここでは鎌だけを専門で扱っているのですね?」


「そうだそうだ。

俺が鎌にはまったきっかけを聞くか?」


大将は、そういった後に、こちらは何も言っていないのに、勝手に鎌にはまった話をし始めた。


要約すると、昔モンスターに村を襲われたのだが、農民の1人が頑張って鎌でモンスターを倒してくれた時に、鎌で首を刈り取る姿が美しく見え、自分で作った鎌でいろいろなモンスターを狩ってほしいと思ったらしい。


正直、なんでそこで鎌にはまったかに関してはわからないが、この鍛冶場は農民からの支持が高いらしく、国としても多額の報酬を渡しているらしい。


「しいて現状に文句があるとすれば、鎌を使う冒険者が少なすぎる点だな。

農民ばかりが買いに来るせいで、冒険者が入りずらくなってしまっている。」


(普通に、剣などに比べて使いずらいからだと思うんだが…)


それでも、ここに来た目的は対象を怒らせるために来たわけではないので、このまま話を聞き続けた。


「それで…」


「すいません。そろそろほかの場所も見てみたいので、帰ってもよろしいでしょうか?」


「ん?もうそんなに時間がたっていたのか…

まぁ、他の鍛冶場を見て、ここに来たいと思ったら来い。

我々はいつでも向かい入れる準備はできているからな。」


そういわれたので、素直に次の場所に向かうことにした。


「それにしても、まさかここまでとは…」


この国では、鍛冶場同士のけんかに関しては禁止されている。


ライバルとして、向こうの場所よりも業績を伸ばしてやるというのはいいことになっているのだが、あからさまにけなしたり、物理的に邪魔をすることは禁止されている。


もしもそのようなことをしてしまった場合は、いくら国内の影響力を持っていたとしても、即刻営業を中止させられる。


反抗しようものなら、国の軍が動き出すほどこの国での落としあいは禁止されているのだ。


「まさか、国内での人気が高いって書かれていたのが、冒険者ではなく、農民からの人気だったとは…」


それでも、このギルド自体は国内でも最大規模になっていて、各地に支店を持っているらしい。


もしも本当に武器を作るほうで自分に合わなかった場合は、ここに来ることも考えておこうと思った。


「今度はちゃんと、剣を作っている場所に行こう!」


(自分でもびっくりするぐらいワクワクしている。

同僚にいきなり異世界といわれて、不安だったが、こっちでの生活も結構よいものなのかもしれない。)


彼はそんなことを考えながら、今度はしっかりと市民に話を聞いて剣を作っている鍛冶場に行くのだった。



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