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脱走犯


「は?お前は一体…うわぁぁぁぁぁぁぁ。」


謎の者は、どんどんと場内のすれ違う人たちを切っていった。


しかし、自分を見たものは殺しているので、今のところ、他の人には、脱獄のことが伝わっていないのである。


「フシュー」


その男は、すでにしゃべる理性も残っていなかった。


なのに、王城の中の構造だけはなぜか知っているのである。


だからなのか、彼は一切の迷いなく、王室に向かっていた。


今は戦争中。だからこそ、玉座の間というわかりやすいところではなく、王室に隠れているだろうと思ってのことだった。


しかし、当然王室には護衛がいるだろう。


それに、王を直接守れるような戦士は、基本的に戦闘能力も他のものに比べて、秀でているところがあるだろう。


しかし、今の彼にとっては、会ったやつを倒すことしか考えていないので、もしもそこに戦士長がいたとしても、彼はその者を倒して王を倒すだろう。


そして、彼は王室の前に立った。


これまであったものはすべて切り捨てたので、剣には十分に力がたまっている。


彼は、王室の入り口の壁を蹴破った。


すると、このような侵入者対策なのか、一斉に部屋の中からトラップが迫ってきた。


しかし、それは普通は目視できないようなスピードだが、彼にはそのトラップすべてが見えており、そして、彼にとっては十分対処できるようなスピードだった。


しかし、それができない理由もあった。


それは、中にいる兵の存在である。


彼は、脱走犯が入ってきた時点で、すでに行動を起こしていた。


まず、トラップが作動することが分かっていたので、トラップの確認。


そして、相手がトラップに反応して切ろうとした瞬間にできるスキを突こうとしていたのだ。


だからこそ、脱走犯も、このトラップは体を動かして対処してはいけないと感じたのだ。


「アツマレ。」


脱走犯は、その一言だけをしゃべった。


すると、王城内を、壁を無視するような力で何かが飛んできていた。


「何かが…来る!?」


それは、王室の壁も突き破って、脱走犯に直撃した。


ふつうは、直撃を受けたら、死んでしまうような威力で何かが飛んできていたのだが、煙の中にはまだしっかりと脱走犯のシルエットが残っていた。


「まさか、彼は何かしらのアイテムを装備したのか?」


実際に、彼は呪いの装備を着ていた。


呪いの装備は一回つけてしまえば、外せないといわれているが、実際には外せる。


それは上位の聖職者の魔法によって外せるのだが、それでも限界がある。


ただ、間違えてきてしまって助けてと言われれば、簡単に助けられるだろう。


しかし、この脱走犯は、すでに心まで支配されていた。


だから、装備を外される瞬間に、自身の魔力を少しだけ装備に渡して、装備は外れてもコンタクトは切れないようにしていたのだ。


「さ~て。ここからが本番か…」


煙が晴れると、全身装備を着込んだ脱走犯がいたのだった。

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― 新着の感想 ―
[一言] 仮に王に何かあれば王を筆頭に周囲の自惚れで終わる話よね
2020/02/08 00:21 退会済み
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