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パワープレイが出来ない


押し倒されたときに、何とか力を入れて、体向きを入れ替えると、そこにはさっき買ったばかりのシオドーラがいた。


「え?何これ?え?」


アインが、いきなりのことで驚いていると、いきなりシオドーラは手を上げた。


(何をするつもりなんだ?)


すると、シオドーラの爪が急激に伸び、しかもどんどん鋭利になって行った。


「待て!」


「待つ訳がない!我々アマゾネスは誰にも屈しない!あんたを殺せばこの忌まわしき魔法は解除される!」


アマゾネスは戦闘民族、本来は負けは死であり、相手に奴隷として使われるなど、誇りが許さなかったのだった。


(まずいな。彼女がどれくらい強いのかは分からないが、一回制限をかけたら、すぐには解除できないぞ…)


アインのこの制限は、アインの意思によって解除は出来るが、解除しようと決めてから、20分くらいかかってしまうのだった。


『止ま』


アインは、すぐに奴隷を従わせている魔法の力を使って、シオドーラをとめようとしたが、その前に口に手を置かれてしまった。


「狙うは心臓。一撃でその小さな体を貫いてやる!」


そして、高速でアインの心臓めがけて彼女の手が迫ってきた。


(これはAランク冒険者レベルか?とにかく間に合う!)


アインは押さえつけられていない手で、胸に爪が当たる寸前でシオドーラの腕をつかんだ。


(いまだ!)


アインはその勢いのまま、地面に魔法を打って、その衝撃で、何とかシオドーラの拘束から抜け出した。


「クソ!今のでしとめきれなかったか…」


『止まれ』


アインはシオドーラと一定の距離をとると、今度こそ停止の命令をした。


『攻撃を禁ず』


『動いても良い』


そして、攻撃を禁じた後に、動く許可を出した。


すると、シオドーラはまたチャンスがやってきたと思い、アインに向かってまた爪を出して攻撃をしようとした。


しかし…


「爪が…でない…」


「攻撃を禁止したんだ…これで君は一定期間僕には攻撃が出来ない。」


その言葉を聞いたシオドーラは、攻撃手段を禁じられたと勘違いをして、素手で攻撃を開始しようとした。


だが、もちろん素手による攻撃も禁止されていた。


「な、何だこれは…あと少しでこいつの首を折れるのに…」


シオドーラの手は、アインの首に触る寸前で完全に止まってしまった。


「君は僕の奴隷だ。僕の命令を聞いてはくれないか?」


「聞くわけが無いだろ!お前みたいな戦いとは無縁そうな子供に!」


「じゃあ、どうやったら言うことを聞いてくれるんだ!」


「何をしようが、お前みたいな子供には従わん!」


アインは、このままでは、話が平行線になってしまうと思ったので、アマゾネスが一番納得しそうな解決法を提案してみることにした。


「それじゃあ…君の制限を今からはずす、そして、僕に勝ったらどっかに行っても良い。しかし、僕が勝ったら言うことだけは聞いてもらう。」


「それなら良い。俺が勝つからな!」


「それじゃあ…『なし』」


そして、シオドーラにかかっていた制限が解けた。


それと同時にいきなり突っ込んできた。


(やっぱり!)


アインもこれは読んでいた。自分の今後を賭けた戦いで、一々始まりを待っている訳はなかったのだ。


(今の僕の能力は、どの面でも僕のほうが強い。だが、いつもパワープレイばっかしている僕には技術が少ない。全力で行く。)


アインは今までのような、圧倒的なパワーで相手の技術を潰すことが出来なくなっていたので、久しぶりに技術に頼った戦いをすることにしたのだった。


「量産聖剣、ライン……10の線を描け!十線道」


アインが聖剣を取り出し、自分を中心に十等分になるように、剣を振った。


すると、飛んでいった残撃が白い道を地面につくり、その後、残撃の先と先がくっつき始めて、1つの輪になった。


「おい!なめてんのか!こんなもん当たる訳無いだろ!」


しかし、アインは、何も気にせず、その白い道の上に乗った。


「高くそびえろ!そして、我を高速移動させよ。」


アインが、白い道に向かってそういうと、白い道からいきなり壁が出てきた。


そして、なぜかアインは、その壁の中に埋まるような形のまま、動けていた。


「は?何がどうなっているんだ?」


「これは、僕だけが通れる壁、そして、僕はこの壁の中を高速移動できる…ごめんね。こんな卑怯な技だけど、僕にとってはこの力で戦うのは始めてなんだ。許してね。」


こうして、シオドーラが壁に囲まれ、アインが壁の中を動き回るという奇妙な空間が出来上がった。


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