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仲間割れ


第一陣が撃破されることは、エドウィンにとっては予想もしていなかったことだったのだ。


「エドウィン様、第一陣は壊滅したそうです。」


「なんだと!あんな寄せ集めの軍隊に負けたのか?」


「そんなことを言っては私たちの国の軍隊も寄せ集めなんですが・・・とにかく、向こうの指揮官が一番敵を倒した国には報酬を上げると言っており、そのため、同じ国の兵同士に限りますが、協力をしてこちら側の軍を攻撃してきているそうです。」


「なるほどな・・・同じ国の奴としか協力をしないこの大陸の人間をうまく使っているな。」


「ええ、それに、この戦いにおいて、指揮官に褒められた国はほかの国に対して勝っていると思うこともできますからね。」


「その点。うちは仲間割れがない代わりに、士気もないのか・・・」


「どうしましょうか?」


「そうだな。真似をすることになるが、うちも同じことをやろう。」


「どうやってやるのですか?私たちの国はもう、だれがどの国出身だったかなんてわかりませんよ?」


「ああ、そうだな。でも、個人だったらどうする?」


「それってどういう・・・」


「そうだな。参加したいものだけに限るが、敵を倒したときに敵の右耳を持って帰ってこさせて、その数が多かった10人くらいに報酬を渡すんだ。」


「なるほど。それでしたら、こちらの軍の士気も上がるかもしれませんね。」


「ああ、それじゃあ、あと1時間後に第二陣だ。それまでに全閉に伝えておいてくれ。」


こうして、エドウィンによる、報酬プロジェクトが始まった。しかし、これはすでにイーサンも行っており、なおかつ、こちらの案では味方を倒して、耳が入った袋を回収してしまえば、簡単に不正をできてしまうのだった。


そして、1時間がたった。


「よし、全軍出撃だ!今回の戦争では、報告が言っていると思うが、敵を倒せば倒すほど、報酬が行くことはわかっているな?だから全員・・・殲滅してこい!」


こうして、エドウィンの兵は意気揚々と戦地へ向かっていくのだった。


しかし・・・


「よし、これで1人、俺にも報酬が・・・」


「そうか!良かったな!じゃあ、死ね!」


こうして、どんどんと仲間割れが始まっていき、イーサンの軍が何かしなくても、報酬を取り合うことが始まってしまった。


「こ、これは・・・」


「イーサン様、敵が勝手に仲間割れをしています!」


「なんでこんなことになっているのかはよくわからないが、こっちにとっては好都合だ。一気に攻め込め。」


そして、イーサンの兵はどんどんとエドウィンの兵に対して攻撃を仕掛けていった。


そして、仲間割れで思いっきり背中を向けている敵を倒すことなど、簡単にできた。


そして、この戦争は仲間割れという、とても無様な姿で終わったのだった。


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