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帰宅


アインがベルを鳴らすと、中から一人の男性が出てきた。


「ここはベルナード家の屋敷です。あなたは何者ですか?」


「私はこの家に用があってきたものです。領主に会わせていただけますか?」


「いえ、身元の分からないものをお通しする訳には行きません。」


「君はここで何をやっているのだい?」


「私はここの屋敷にて、執事をやっているものです。」


「そうなんだ。何年前から?」


「3年ほど前からです。」


「ああ、なるほどね。それじゃあ、10年くらい前から働いている人を呼んでもらえるかな?」


「何故です?」


「僕は10年位前にはここによく来ていたから、その人たちなら分かると思うんだ。」


「まぁ、とりあえず呼んできますが、勝手に入らないでくださいね。兵たちよ、このものを見ておいてください。」


「ハッ!」


そして、執事の人は屋敷の中に入っていった。


すると、兵の一人が話しかけてきた。


「アイン様、お久しぶりでございます。」


「えっ!分かるの?」


「はい。私はここで10年以上働かせてもらっていますから。」


「そうだったんだ。でも、それなら何で先に教えてくれなかったの?」


「いえ、最初は分からなかったのですが、10年以上前は結構出入りしていたというところで気づきました。それにしても成長しましたね。」


「まぁ、あのころはまだ子供だったからね。」


「そうですね。しかし、最近はあまりアイン様のお話を聞かないのですが、何をしているのですか?」


「ああ、それはまた今度暇があったら話すよ。今日はもうこんな時間だし、できるだけ早く用件を済ませたいしね。」


「そうでしたか。確かにもう夕方ですしね。それでは私は仕事にもどらさせていただきます。」


「うん。ちゃんと仕事がんばってよ。」


「はい。」


そして、その兵は元の場所に戻っていった。


すると屋敷の中から話し声が聞こえてきた。


「何で私を呼ぶんだ?自分で対処すれば良いだろう。」


「今回来た人が10年前はここに出入りしていたから、10年以上働いている人を連れて来いと言っていまして。」


「だったら名前を聞いて置けよ。」


「もしも、偉い方だったらどうするんですか。」


「うっ…確かに。」


「ですから、対応をお願いします。」


「分かった。」


そして2人の執事姿の男性が出てきた。


「10年以上働いている執事のダンサイさんです。これで文句は無いでしょう。」


「私がダンサイだが、君は?」


「10年前によくここに来ていた人ですよ。」


「10年前に君みたいな子供が来ていた覚えは無いが?」


「来ていたというより、帰っていたというほうが正しいかな?」


「帰っていた?…まさか。」


「何ですか?ダンサイさん。」


「お前、すぐにグイン様に連絡だ。」


「何ですかいきなり。」


「何でも良いから聞け、すぐにグイン様を応接室に行かせてくれ。できればあの兄弟も。」


「わ、分かりました。」


そして、執事の1人が屋敷に入っていった。


「お久しぶりです、アイン様。久方ぶりの帰館をお待ちしておりました。」


そして、その場でダンサイは土下座をした。


「そんな事しなくて良いよ。それよりも中に入って良い?」


「そんな!自宅なんですからどうぞ中にお入りください。」


こうしてアインは久しぶりの実家に入ったのだった。


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