隣村
頴亭に戻った二人は部屋で今後の調査の方向性について話し合ったが情報が少なく分析するにしても全くわからないといった状況である。そうこうしているうちに下から女将が夕食の準備が出来たことを告げる。
夕食を取りながら女将にさらになにか知らないかと尋ねたところ
「私たちの村では疫病が流行りましたが死者は数人程度ですとお話しを昨日したと思いますが、隣村ではほぼ全員が疫病でなくなり廃村してしまったんです」
と聞き冬嗣とアリアは翌日にでもその疫病によって廃村にまで追い込まれた村を訪ねて観ることにした。
冬嗣とアリアはまたしても腐葉土と道の境目が曖昧な獣道のような山道を歩き進めていた。昨日女将が話していた隣村に向かうためだが、隣村とは言っても山を一個超える必要があり、当然アリアはさっきからグダグダと愚痴を吐きながら歩き進めている。
冬嗣とアリアは女将の言っていた廃村に着いたが、20年という歳月が過ぎている以上仕方ない事ではあるがほぼ家屋は瓦解しており大半の家を支えていたであろう木材は土へと帰っている。それでも情報を求めて村内を歩く二人
「先生、あそこだけレンガでできてイマス」
とアリアが指を指しながら冬嗣に語り掛ける。
「うむ、あそこだけ異質にレンガ造りとは気になりますね。行ってみましょう」
二人はレンガ造りの一軒の平屋の建物に入った。
「ここは診療所のようですね。小瓶に入った薬に注射器それにベットと」
中は荒れ果てはいるもののレンガ造りのおかげか20年の風雪に耐えており一目で診療所と分かるほどには綺麗である
「先生、ノート」
とアリアが一冊のノートを冬嗣に渡した。
そのノートには衝撃の内容が書かれていた。




