ヌシの捜索
次の日、透真が作った朝食を頴亭で取りウロ通信の返事を受け取るために昨日行った神社に向けて歩を進める二人。
「朝食はトウマくんが作った玉子焼きと炊いたごはんそれに自家製のお味噌汁美味しかったですネ」
「そうですね、それと昼食用にも透真くんがおにぎりを作ってくれたから」
「お昼が待ち遠しいデス」
と話しをしながら歩幅に合わない石階段を登り進めていく。昨日同様に注連縄された太い木に呪符を貼り、五芒星を書き
【急急如律令、我土御門冬嗣が使役したる妖霊ウロに命ず 御祷紙これを返信せよ】
と唱えるが木は微かに光るものの昨日と違い樹洞が虹色に輝かず暗いままである。
「おかしいですね、まだ返信が着ていないということでしょうか」
「珍しいコト?」
「珍しい事ですね、基本的に半日もあればあの程度なら調べて返信がくるはずなのですが…、仕方ありません。当初の目的である山のヌシに会いにいくとしましょう」
「相変わらずダサいデス」
「仕方ないことなのです。躰固神法を私は使えないので」
と返答する冬嗣。
冬嗣とアリアは神社を後にして山のヌシを探すこととなった。アリアが村人に聞くのはどうかと質問してきたが山のヌシは早々目撃されることもなく、ヌシ自体も人に発見されることを基本的に好まないため山の奥のさらに奥にひっそりと生きているのがほとんどであるので探すのが一苦労なのは言うまでもない。そこで山のヌシを探す方法として躰固神法で稲荷神を憑依させ稲荷神が持つ信仰の一つである探し物を見つける能力を使い見つけることが出来るのだが冬嗣は躰固神法が使えないため、呪法を唱え眼鏡に一旦付喪神を憑依させさらにその上から再度呪符を使って稲荷神を眼鏡に降臨させるという二度手間なうえ呪符の貼り方の見た目がキョンシーのそれに瓜二つな感じになるのでアリアの反応は素直であると思われる。
「そんな眼鏡の真ん中に呪符貼ってて見えるんですカ?」
「呪符は効力で半透明になるので視界的な問題はありません」
とダサい姿で返答する冬嗣。
「あちらの方角に山のヌシがいると感じられます」
と述べ森の奥へ二人は歩を進めていく。
躰固神法‐陰陽師の奥義であり証




