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忘却  作者: はづき
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前書き

昔から人を喜ばせるのは得意だった。

喜ばせるといってもご機嫌を取る、に近い意味合いだし、得意というよりかそれが自然とできた。

できたというよりかは、自分の体が自然に選択してきたのかもしれない。面倒な未来になることを避けるために。

だからこの前、クラスメイトがつまらない冗談を僕に投げかけて来ても、僕はちゃんと愛想笑いで返すことができたし、先生に将来の目標を問われても、きちんと模範通りの回答ができた。

もちろん将来の目標なんて無い。考えたことが無いわけじゃないけど、いつも、面倒くさいとか、成る様になる、みたいな結論にいつも至る。

僕は生徒があまり来ない裏庭の、小さな池のベンチで座って、池にぼんやり写る自分の上半身を眺めて昼休みを過ごすことを好んだ。

池の表面に小さな虫が手足を動かせば、小さな波紋が起きて、やがて大きな波紋が池の中の上半身をゆらゆら揺らす。

その動きがおさまったかと思うと今度は風が池の表面を撫でて行き、今度は一瞬にして崩れていく。

退屈な日々より、こうして池の中で過ごす方が面白いのかもしれない。

どこか遠くのほうでチャイムが聞こえる。耳の遠く遠くのほうで予鈴を知らせているのが聞こえる。

ほとんど無意識に僕は立ち上がって教室へ戻る。

こんな日々が続いている。別に退屈な日常が変わって欲しいとか、そういう願望は無いし、それを非とも思わない。むしろ楽だ、なにも考えなくてもいい。

僕は砂糖の溶ける飽和量を超えた、いわば泥沼と化した日々を無気力感と生きていた。




例によって続かないかもしれない

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