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発動された新たなる気まぐれ7
「ふぅ、片付いた」
魔法省の部屋から届いた荷物は、とても多かった。
自らが頼む前に、同僚が親切に手配してくれていたのだ。
部屋は樹よりランクが下がるが一人部屋だ。
「本当は魔導部に入るべきなんだろうけど…」
実は別に入りたい部があった。
「機械研究部良いなぁ」
部活、同好会パンフレットを見ながら呟く。
沢山の本、ガラクタに見える機械。
もし魔法省に入らなければ、普通に地元近くの工業高校に入るつもりだった。
「魔法省も楽しかったけど、高校生か…」
沢山の同年代に囲まれるのは久々だった。
部屋に作業道具が置けないのは残念だが、それでも楽しみなのは変わらなかった。
「もうこんな時間」
臣は時計を見ると呟く。
寮に馴れていないので、臣は条治や総平と待ち合わせしていた。
といっても明日は入学式なので、在校生は休みである。
それでも食堂の時間は揺らがないので、食事をして時間を潰した後、卓と合流して島内見学の約束をしていた。
「もう寝た方が良いよね」
そう呟くと、ベッドの上に敷いた布団に潜り込んだ。