発動された新たなる気まぐれ6
新学期、二年の教室に張り出されたクラス表を見て、生徒達は自らの新しいクラスに入っていく。
「やった、愛里!同じクラスだよ!」
愛里の友人、関口里穂は愛里と喜びを分かち合った。
「結城、同じクラスだ。よろしく」
「よろしくな、樹!」
翔は一連の事件を起こした事を覚えていない。
だから樹と翔が一緒なのは、偶然ではなく故意だ。
そして、樹と愛里が同じクラスなのも意味がある。
ただし、愛里と里穂が同じなのは偶然だが。
一方隣のクラスには、条治と総平と臣が居た。
「あれ、同じクラス?」
「条治こそ!」
「二人とも!」
びっくりしている条治と総平を見て、臣がやって来る。
実は偶然同じクラスだった条治と総平のクラスに、臣は配慮で編成されたのだ。
「席につけ!」
各々のクラスに先生が入って来る。
生徒達は皆席に着き、ホームルームが始まる。
ホームルームが終わると、女子が臣に群がった。
「君通信科から来たんだね!そんな科があるなんて知らなかったよ!」
「ほんとだよ!仲良くしてね!」
女子が臣に目を輝かせる。
「部活はどうするの?テニス部に入らない?」
「吹奏楽部は?初心者でも丁寧に教えるよ!」
女子達は、自らの部に入ってもらおうと勧誘合戦を繰り広げる。
「おい、お前ら」
「あ、中務君…」
条治が来ると、後ずさる。
「ご、ごめんなさい!」
「庄司くん、バイバイ!」
女子達は、散っていった。