負魔結晶13
部室に居たのは総平、条治、翔、それから貴史と郁斗だ。
理子は魔法を使っていないので寝てもらっている。
今頃、他の生徒と同じく記憶処理をされているだろう。
「待たせたわね」
ドアを開けると葉月は言う。
樹、幸成と共に入ったのは臣と直人だ。
臣は特別について来た。
「あれ、あなたは…」
貴史が反応する。
バスケ部事件で幸成の世話になったからだ。
「てっきり警察官だと…」
「まぁ、魔法省だと言わなかったからな」
「あのときはお世話になりました」
「いや、あれも仕事だからね」
と話し始める。
「総平君、条治君!」
「お前…」
「君は…」
「直接会うのは初めてだね、庄司臣です」
散々モニター越しに話していたので、既に顔見知りだった。
「知ってるよ、俺は中務条治だ」
「藤原総平、よろしくね」
臣は二人と握手する。
そんな中、直人や翔や郁斗はぽかんとしていた。
「そろそろいいかしら?」
区切ったのは、珍しく葉月だった。
「ああ、すまない」
幸成は言うと、一つ咳払いをする。
「君達には、これから魔法使用者登録をさせてもらう。その後で、記憶処理をさせてもらう。登録は庄司臣が、記憶処理は甲斐が担当する」
幸成はそう言ったのだった。