季節外れの見学会7
「桜井は論理パズル、僕はナンプレ、部長はお絵かきロジックが特に好きなんだよ」
坂崎こと、坂崎幸助は軽快に喋る。
「じゃあ、部長の貸してあげる」
坂崎は部長高見沢雅彦の本をさっと渡す。
勿論許可など無い。
「あーっ、坂崎❗」
「いいじゃん、部員勧誘の為だって!」
そう坂崎が言うと、高見沢は諦めた。
「ロジック好き?」
「はい…」
高見沢の問に卓がおずおずと答えると、彼は一つ息を吐いた。
「月刊のやつなんだけど、出来そうなレベルの一つやっていいよ。そのあとは坂崎のもやるといい」
仕返しとばかりに高見沢はニヤリと笑うと言った。
真剣な表情で高見沢の一問と坂崎の一問を終えると、手芸部がやってくる。
「うちのも見ていって!」
タイミングを見図ると、卓を自らのグループの椅子に座らせる。
「マフラー刺繍ぬいぐるみ、何でも作るよ!」
女子は布で作った薔薇を渡す。
「ありがとうございます」
「高森くん、他は回らないのかい?」
樹がキリがないので言うと、卓は立ち上がった。
「これ、ありがとうございました!」
はにかんで卓は言うと、教室から出た。
その後囲碁部将棋部等、部や同好会を見て回ったのだった。