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幻想と現実6
「皆、ビックニュース!」
クラスメイトの一人が駆け込む。
「うちのクラスに男子の転校生が来るわよ!」
その言葉に女子クラスメイトが悲鳴を上げる。
「イケメン⁉格好いい⁉」
「うん、超イケメン!」
等と女子限定で盛り上がる。
「愛里は気にならないの?」
「ん?」
朝から間食をしている愛里は気にしない。
「愛里ったら」
呆れながらも、里穂は愛しい目で見つめる。
「私は学校生活を楽しめればいいし、イケメンはいらないかな」
おにぎりを頬張りながら愛里は言うのであった。
というよりも、もし問題を起こせば父の学校に強制送還させられる。
だから問題を起こせないのだ。
「私にとっては何事もないのが一番、だよ!」
二つ目のおにぎりを食べながら愛里は言うのであった。
チャイムが鳴り、皆慌てて席に着く。
「HR始めるぞー」
担任の言葉に皆、聞き耳を立てる。
「知ってるみたいだが、このクラスに新しい仲間が入る。入れ」
その言葉に生徒達はざわめいた。