季節外れの見学会4
本校舎を案内すると、次は授業案内だ。
クラスは決めてある、樹のクラスだ。
丁度四時間目が始まったばかりで廊下は静かだった。
「失礼します」
後ろのドアから樹達は入る。
「この授業は中学生が見学する、いつも通りにする様に。甲斐は席につきなさい」
「はい」
こうして樹は自らの席につき、卓と条治は後ろに立った。
特に面白味は無い、授業は内容が違うだけで中学も高校も一緒だ。
「この問題もこの公式に当てはめれば簡単だ。じゃあ、誰か黒板に…甲斐」
「はい」
樹は前に出て答えを書く。
樹はすらすらと解くと席についた。
「流石だな」
回答者に樹を指名したのは、彼なら答えられると踏んだからだ。
「他の問題も同様だ。では、プリントを配るから解きなさい」
こうして、皆問題を解き始めた。
残りの時間はプリントに費やす。
「解いたプリントは後ろから集めて」
終了間際、教師が言うと皆その通りにする。
集め終わると、チャイムが鳴った。
「起立、礼」
「このプリントは次の授業で返す。それから、見学生にちょっかいを出さない様に」
そう言うと、教師は去った。
といっても、生徒達は客人には興味津々だ。
しかし条治が居るので話しかけづらいので丁度良かった。
「次は昼食だが、食堂で食べるかい?」
「はいっ!」
実は、事前に食堂がある事は条治に聞いていた。
条治事態は購買でパンでも買って食べるつもりだったが樹も居るし、卓が目を輝かせているので仕方ない。
「中務君も行くだろう?」
「あぁ」
条治は仕方なく、彼らに付き合うことにした。