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季節外れの見学会3
「着きました。ようこそ、私立海柳高校へ」
エレベーターを降り階段を下ると、そこには学校が現れた。
反対側を見ると森、その交互を見て卓は目を輝かせる。
「では、学校へ入りましょう」
「はい!」
そうして、学校見学は始まった?
先ずは本校舎を案内する。
「今頃見学を希望した理由はなんでですか?」
「あっ、えっと…条治が通ってて、本当は普通の時に見学会に行きたかったけど別の高校と被ってて…うちの両親がそっちに行けって…」
「やっと説得できたんですね」
「それも違うんです。滑り止めなら受けてもいいって…条治に相談したら、叶ったんです。条治優しいから…」
「バカ、卓!」
条治は慌てる。
それは、学校ではそんなキャラじゃないからだ。
「では、彼に感謝ですね」
「はい!」
それは、樹にとってもだった。
高森卓という存在は、樹にとって願ったり叶ったりだった。
中務条治もそして高森卓彼自身も魔導同好会に必要だ、と感じたのだった。