バスケ部の事件7
土曜、私立落陽高校。
男子バスケ部は、バスに乗りこの高校に来ていた。
落陽高校は県屈指の強豪校、そんな学校が弱くも無いが強くも無い活動停止解除されたばかりの海柳高校に練習試合を申し込んで来たのだ。
何も知らない塚原は、激を飛ばす。
「お前ら、気合い入れていけよ!」
「はい!」
部員は揃えて返事をする。
ちなみに、部員達も何も知らない。
知らないから、彼等は全力で戦うだろう。
それを、樹と貴史は遠目から見ていた。
「高坂、行こう」
「あぁ」
二人は部員達を横目で見つつ、体育館二階の椅子に座った。
「練習試合、開始します」
審判員が笛を吹く。
といっても、公式ではないので落陽高校の部員だ。
「やあ、甲斐」
「おはようございます」
試合開始直後、男性二人が現れる。
声をかけた方は少しだらしなく、もう一人はビシッとしている。
「甲斐、彼は警備部小野坂。先輩権限で無理矢理連れてきたぞ」
「お手数おかけします、甲斐樹です。彼は同級生の高坂貴史です」
樹は小野坂にお辞儀する。
貴史もつられてお辞儀した。
「小野坂圭介です。よろしくお願いします」
圭介はビシッとお辞儀する。
流石警務部、樹は関心する。
それに比べ、上司はだらしない。
「甲斐、小野坂、高坂君、早く座ろう」
幸成はそう言いつつも、既に座っていた。