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バスケ部の事件2
学校のデータベースを見る。
教師一覧で塚原正毅を調べると、前の学校でもバスケ部の顧問だった。
いかにも体育会系。だが、魔力量はパソコンでは測れない。
まだ高坂にも会っていないし、塚原も見ないといけない。
いや、二人の魔力量は今からでも会えれば見れる。
樹は目を閉じる。
魔力を耳に集中させる。
「その髪飾り可愛いね!」
「あんたの彼氏さー」
「漫画貸して!」
「ファイッオー!」
「君、校則違反だ!」
「塚原先生見逃してよー!」
その中で見つける。
「駄目だ!」
「わかったよ、金だろ?」
「わかってるじゃないか」
そう、塚原正毅は汚い教師だった。
これだけでも録音データを取れば失脚させる事が出来るだろう。
場所は三年生校舎空き教室。
一瞬でその教室の前まで飛ぶ。
「じゃあ、記憶を消してやろう。この事は忘れろ」
透視で樹は見た。
金を受け取り生徒の頭を掴むと、塚原正毅は魔力を込めた。
これは記憶操作だ、一般人が使って良いものではない。
だが、これはチャンスでもある。
塚原正毅は簡単に魔法を使う人間だという事だから。