部活不加入者の選定7
「侑斗、あんた遅かったじゃない。まさか、苛められない様に遅く来たんじゃないでしょうね?」
ザ、苛めっ子。見るからにそんな感じの女子生徒はあまり人の来ない場所に侑斗を連れ出す。
「ごめんなさいごめんなさい」
踞り、女子生徒の蹴りを耐える。
「理子、買ってきたよ!」
苛めっ子仲間の女子生徒は自らと理子の食事を持って現れた。
「サンキュー、お代は侑斗が払うわ」
「OK!金額は千円でーす!」
パンとジュース、足しても明らかに千円はいかない。
「なっ、何で!」
「あんたと私の仲でしょ?中学からのつきあいじゃない!勿論払うわよね」
もうそれは脅しである。
「まさか、拒否ろうなんて思わないわよね」
その言葉に、侑斗は恐れと同時に怒りが込み上げる。
「君達、何してるんだ?」
そこに入ったのは、樹と翔だった。
「な、何も!ただ話してただけよ!後でね、侑斗」
理子と仲間は走って逃げる。
「大丈夫?」
翔は侑斗に手を差し出す。
だが、侑斗は掴みかけてやめた。
「中途半端に手出ししないでください、悪化する…」
最後の言葉は翔には聞こえないほど小声だった。
「確かに、あんた自身が解決しないと意味は無いしな」
樹はチラリと郁斗を見る。
「行こう、翔」
「えっ⁉わかった」
既に歩き始めた樹に、翔は慌ててついていった。