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部活不加入者の選定6
樹と翔は最終バスで降り立つ。
ギリギリといっても余裕の範囲の到着だ。
〈誰か魔力を使ってる〉
樹は突然察知する。
それは、普通使われる事の無いエレベータからだ。
「残りの二人はどうやって…」
翔は後ろに居る筈の樹に喋る。
だが、振り向くと樹は居なかった。
「よしっ、これなら間に合う!」
エレベータから出たのは中務条治、出口に先回りしていた樹は彼の顔を見た。
「最近まで使われていない、彼は魔力で動くのを知らずに使っているのか?」
樹は一人呟く。
だが、彼はどんどん歩いてゆく。
「やべっ、走らねーと!」
条治の言葉に樹も我に返る。
〈翔置いてきたんだったな…〉
樹は瞬間移動する。
人の気付きにくい場所に出ると、樹は走った。
「樹、早く!」
翔は校舎前で待っていた。
「すまない」
樹はそれだけ言うと、靴を履き替える。
「急に居なくなってびっくりしたよ」
「ちょっとね」
走りながら二人は喋る。
条治が現れるのは、その数分後だった。