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魔法古書の鎖2
「膨大な魔力?」
読書中、樹にはそれを感じる事が出来た。
樹は自らの部屋から外へ飛び下りる。
部屋は男子寮一人部屋、葉月曰く生徒だから特別視はしないという事だった。
魔力発生箇所は女子寮、それは学園の方へと続いている。
強大な魔力は本人を疲れさせる。
樹は葉月に連絡を入れる。
魔力の束は、地下へと続く。
「あの部屋か!」
樹は叫ぶと、近くのエレベーターに乗った。
「ん?エレベーターって生徒は使えないんじゃなかったか?」
一人の生徒は呟く。
だが、その生徒は部屋を抜け出している。
先生にバレる前に戻ろうとその場は考え、男子寮へと去っていった。
樹はエレベーターを下りると魔法古書の部屋に入った。
外から来た魔力の束は無理矢理本に入っていく。
「そんな馬鹿な!これでは鎖の意味が無い!」
あ然としていた頃に葉月もやって来る。
「どうなってるの⁉」
扉を開けて開口一番に言う。
そして現状を見た。
鎖は無理矢理引きちぎられ、その本の中に入っていった。