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魔法省魔法書管理部魔法古書管理室8
「魔法って結構使われているんですね」
十件目後、直人は言う。
朝から回り、まだ沢山リストが残っていると樹は言う。
会社だけではなく、病院、警察、修道院、デパート等沢山ある。
転移するので移動時間は必要無いとはいえ、結構大変だ。
更に、二日で全て回ると樹は言う。
「分担すれば効率は上がるができないだろう?」
「はい…」
入社数日、仕事は初めて、極めつけは魔法が苦手、直人にとって無理だらけだ。
その後も、更に二人は回る。
〈一度戻ろうか〉
「はい」
「テレパスは大丈夫なようだな。こっちに返せるか?」
「申し訳ありません、魔法はほぼ使ったことが無いんです」
直人は申し訳なさそうに言った。
「大会に出たのだろう?」
「はい、ですが…」
「まあいい、魔法省に戻れ」
「え?」
魔法が使えない役立たずは帰れという事だろうか?
「まず先に訓練を受けろ、素人が魔法を操れないのは当たり前だ。幸い東京都内だ、電車で戻れるな」
「はい」
直人は戸惑いつつ樹と別れたのだった。