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時を司る3
「今のままではバイト代も評価も低いままですよ」
樹は大声で言う。
「頑張ってるでしょ!」
「どうしろって!」
二人は叫ぶ。
「連携が出来てませんよ!」
といっても、二人とも精一杯なのだ。
捕まえようとしてもゆかりはひらりと逃げてしまう。
そして、特に総平が死闘に向いていないのだ。
傷を付けても致命傷は狙えない。
死ぬ気、殺す気が足りないのだ。
「私がどうとでもできます、自由にやってみてください」
樹は言う。
協力しても分担作業の多かった総平には難しかった。
「ふうん、どうとでもね…」
ゆかりは呟く。
「甲斐様。私、やってみたい事がありますの」
二人の攻撃を交わしながら、何故か樹に言う。
「北条ゆかり、何を…」
「人殺し」
ハートマークを付けてそうにうっとりと言う。
攻撃されている人間とは思えない。
「貴方達、弱すぎよ」
ゆかりはリボンを刃物の様にし、攻撃を始める。
手を動かすだけでその刃物は右に左に動く。
そして、二人は防御に徹する。