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魔法省魔法書管理部魔法古書管理室7
四人は地下へを進む。
彼等は松田を先頭に魔法古書のある部屋へとたどり着いた。
「松田さん、お願いします」
樹は言う。
すると、松田は頷いた。
そう、この会社の魔法古書所持者は社長ではなく松田信希なのだ。
工藤社長は全く魔法を使えない。
なのでこの会社は特例で秘書が所持する事を認めていた。
松田は魔法古書を起動する。
ちゃんと起動できるか、それもチェック項目の一つなのだ。
3分間、起動させる。
「問題無さそうですね」
樹が言うと、松田は通常操作に切り替える。
「松田さん、工藤社長、ありがとうございました」
樹はいつも通り言った。
社長室に戻ると工藤社長は樹と直人と更に喋ろうとした。
「社長、この後も予定が詰まっているので失礼します」
樹が言うと、工藤社長は明らかに残念そうな顔をする。
「社長、我が儘はいけません」
「そうだな…甲斐君、和田君、次回を楽しみに待っているからな」
社長は豪快に言って二人を見送った。
エレベータで樹達は降りる。
「松田君、良かったのかい?」
「はい」
松田は社長の言葉に少し俯く。
だがそれも一瞬、次の瞬間には社長秘書として輪とした姿を見せた。