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突然の合宿指針4
しばらくした時だった。
マイクロバス内、再びスマホが鳴る。
「樹、追加情報だ」
相手は幸成だった。
「さっき申請があった。人数は4名、魔法訓練。場所は魔法省。合ってるか?」
幸成は人数を知らない。
だが、樹には足りない事が分かる。
「…情報助かりました」
樹はスマホを切った。
後方にはちゃんと専用車が付いている。
高速道路故、Uターンはできない。
大丈夫かと思った時だった。
分岐点で専用車はルートを別れたのだ。
これに焦ったのは樹だけでは無い。
「すみません、後ろの車とは行き先が違うのですか?」
樹は運転手に聞く。
「さあ、私は魔法省まで行くように仰せつかっているだけなので」
それを聞くと、今度は美伽に連絡する。
「どういう事ですか!」
「二人は水守に相応しい者にします。心配はいりません」
その後ブチッと切られた。
チッと舌打ちをする。
目的はあくまで卓と条治だったのだ。
樹は少しの怒りと共に考えを巡らせた。




