突然の合宿指針3
「魔導部の皆様、今回は参加ありがとうございます」
水守美伽は笑顔で直々にフェリーターミナル出口に出迎えていた。
全員を見回し、満足そうにする。
「あら、そちらの方は確か…」
「連城颯です」
「入部を成されたのですか?」
「いや、見学と観光です」
「では、同行するだけですね?わかりました、手配致します」
すると、水守美伽は電話を始める。
「連城様、許可します」
車は二台、専用車とマイクロバスだった。
「では、卓さんと条治さんはこちらの車に」
「はい」
卓と条治は美伽の方へ向かう。
「引率の甲斐様と残りの皆様はそちらのマイクロバスにお乗り下さい。荷物は後部に乗せられます」
卓と条治の荷物は説明中にも専用車に積まれていた。
「何故二人はそちらの車に?」
「甥っ子と話をしたいのです。ちゃんと二人は責任を持って送りますから安心下さい」
「あの…?」
「お母様、高森曜子は私の妹なのよ」
「え⁉️」
「そんな話、知らねえぞ!」
卓と条治は驚いている。
「ふふ、知らないのも当然ね。話は車の中で。甲斐様、そちらはお願いします」
「…着いたら連絡を」
「勿論です」
樹は納得できないものの、とりあえず従った。