203/228
盗まれていた魔法書1
約二週間前、海外…
「……大変だ!」
数ヶ国の魔法省で同じ様な事件は起きていた。
魔法書管理部では、魔力の高い者の魔力を封じ込めた
書を管理する部門がある。
その書は悪用されぬ様他国にて厳重に管理されている筈だった。
「盗まれている!」
「無い書の人物は⁉️」
「日本国、甲斐樹!彼の物だ!」
だが、これはその国内までしか情報が行かない。
なぜなら、責任問題を恐れるからだ。
「他国には洩らすなよ!」
「当然です!」
その情報はこうして直ぐに日本まで情報が来ないのだった。
「………」
「あれ、私は何を?」
魔法省外、カフェや路地裏で突然呟く。
魔法省内で働く者だが、彼等は一部の記憶が無い。
魔法書を知らず盗み、操る者に渡したからだ。
盗んだ記憶は無く、問い詰められても本当に知らないのだからどうしようも無い。
こうして事件はあやふやになっていくのだった。
そして書の出現にて、海外の盗難事件は発覚するのだ。