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作られた記憶5
「そこか!」
「うわっ!」
走って拳を付き出す。
しかし、それは翔だった。
「危ないな」
「悪い」
しかし、これではどうしようも無い。
「遊んであげる」
そう聞こえると、影が沢山見える。
「この霧、どうにか出来ないのか⁉️」
「流石に無理かな?」
翔と離れた場合、再び殴りかかる可能性が高い。
二人の周りを影が動く。
「っていうか、どうにかなる気がしない」
彼女の魔力は負魔石で強化されている。
強くなったといっても負魔石にはかなわない。
その時だ、都合よく強風が吹いた。
それは侑斗だった。
「おまっ、なんっ!」
侑斗は直ぐに消えた。
「今だ!」
翔はチャンスと影を伸ばした。
「霧は使わせないよ」
翔はニヤリと笑った。
条治は慌てて想像で縄を作る。
体術が得意だが、総平に及ばずとも想像も出来るのだ。
縛ると条治は翔を見た。
「お前、結城だよな?」
「そうだよ、ちょっと代わってもらったんだ」
「は?」
「まあまあ、念の為」
そう言うと、翔は冬子を影で包んだ。
「これから、どうするか…」
捕まえた後は考えていなかった。