魔法省魔法書管理部魔法古書管理室3
魔法省、ここには沢山の魔法関連情報がある。
なのでセキュリティも厳しい。
「甲斐樹」
樹は名前を言うと、手を機械に翳す。
これは指紋認証ではなく、魔質を見るものだ。
少し魔力を出すだけで認証可能だ。
昔は普通の対人間用機械だったが魔法省の中には魔法研究部もあり、開発室がこれを作った。
これで完全に化ける魔法使い対策が完璧なのだ。
ただし魔力の強い者は、放出のしすぎに注意しなければならない。
放出しすぎると、機械が壊れるのだ。
最初の頃は、手加減したつもりでもしょっちゅう壊れたものだ。
今ではそのおかげか、段々魔力耐久が上がっている。
その先には階段と三つのエレベータ、二階へ続くエスカレーターがある。
そのうちの一つは地下のみの直通エレベータだ。
三人乗り用の魔力を動力源とする学校用と同じ様なもので、やはり魔力を注ぐ。
地下にあったエレベータは一階に異動し、扉が開く。
「あっ、乗ります!」
見知らぬ青年が慌てて駆けてくる。
大抵の社員はわかるはずだが、彼の事は知らない。
樹は彼が乗るのを待ち、動かした。
〈蔵書室かな?〉
樹は考える。
地下には魔法古書管理室と魔法古書蔵書室しか無いのだ。
樹は魔法古書管理室に入る。
だが、青年も同じく魔法古書管理室に入ったのだった。