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学園都市の混乱12
「上手く…」
卓は鍵がかかったのを見ると両手を前方に出す。
「行け」
呟くと、いつもより大きな水の固まりが出た。
これは試し打ち。だが、コントロールは上手くいく。
女子生徒は吹き飛び、花竜巻も後ろに下がった。
「次」
これだけでは足りない、懐に飛び込まなければ。
直接負魔石を砕かなければいけない。
両手の平を外に向けて回す。
それにより幕を作った。
魔力を上げ、その幕を厚くする。
彼女は立ち上がっていた。
そして、再び花竜巻は強くなる。
卓はその中を、進んでいった。
彼女は他の魔法は使えなかった。
そう、ただ暴走していただけなのだ。
突っ立ったままの彼女に、卓は進む。
そして、宝石付きチャームを見つけた。
「正気に戻って下さい」
卓は言うと、宝石を砕いた。
それと同時に竜巻は彼女から離れる。
そして竜巻は消え、花びらはひらりと舞い落ちた。
皆、校舎から出てくる。
「条治、戻ってたの?」
「ああ。卓、無事で良かった」
条治は卓に抱きしめた。