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学園都市の混乱11
中央棟に逃げた卓達は、戸惑っていた。
「とりあえずどうにかなったけど、これからどうするんだ?」
「対抗手段なんて…」
「恐い…」
貴史、侑斗、理子は戸惑う。
今まで魔法とは無縁だった。
思い出したところで実感も湧かないのだ。
「それ、使えば卓の能力向上しないかな?」
「え?」
それは総平の提案だった。
「この中なら、多分卓が強い」
総平は続ける。
侑斗の風魔法は駄目だった。
となると自分より卓、そう考えたのだ。
「これ、使って下さい」
侑斗はチャームを渡そうとする。
これは賭けだ。
どうなるかわからない。
「いや、こっちを使うべきだ」
貴史は自らの耳に付けていたイヤリングを渡した。
総平は頷く。
「や、やってみる」
卓は言うと、イヤリングを付ける。
片耳だけのイヤリングは魔力を底上げする。
だが、暴走はしなかった。
「行ってきます」
卓は皆に言ったのだった。
ドアを開ける。
そして、外に出ると魔法を使った。