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学園都市の混乱10
「それ、壊した方がいい」
条治は告げた。
せっかく露店商から買ったのにそんな事を言う。
「ピアスに付く宝石は普通じゃない」
「買った後おかしな事は無かった?」
二人は言う。
自転車パンク事件はそれに入るだろうか?颯はそう考える。
「あんな目茶苦茶なものはありませんよ、あれ何なんですか?」
「あれは魔法だ。普通は知らなくていい」
これは樹の受け売りだ。だが、条治事態も思う事でもある。
「へー、じゃあパンクが治る魔法もあるんですか?」
「わからない。が、後で調べればいいだろう」
そんな事喋りながらも、向こう側ではピンチが迫っていた。
「あれ、マズイかな?」
翔が呟いた。
二人も中央棟を見ると、花竜巻は花壇等を吹き飛ばしていた。
建物は壊れていないが、女子生徒はドアを開けようとしている。
手をかざし、魔力を集中させる。
バリンと割れると、何故か女子生徒は吹き飛んだ。
花竜巻事態もそれに合わせて弱まる。
現れたのは卓だった。




